2016-11-20から1日間の記事一覧

2016/11/18, Fri.

もう一つには、何か学校のような、あるいは城のような大きな建物の周りを、歩き回っていた夢があった。あたりは草が生い茂っていたはずである。自分一人で、ほかに人影が見えないのを不気味に思って、人を見つけようとしていたような覚えもあるし、それとは…

2016/11/17, Thu.

アイロン掛けを終えるとソファに就いて、外を眺めてみれば、前日よりは雲の薄い空で、一面を埋め尽くすほどの量はなく、頻繁に綻んで清涼な小川めいた青さが覗いている。 * 坂を上って行くと、空気はもはや冬にかなり接近した冷たさで、上着を着ていても肌…

2016/11/16, Wed.

シャツやエプロンに器具を当てながら、例のごとく窓外を見れば、南の山は橙や臙脂の色がところどころに差しこまれて、斑に彩られており、鮮やかではあるが、それを囲む緑も含めて目に触れるのは老いた乾きの感触で、まるで黴のようでもある。陽射しがあれば…

2016/11/15, Tue.

職場を出て駅前を回りながら、ロータリーの真ん中に向けた視線が、気早にクリスマスムードを演出しようと言うのだろう、刈りこまれた植込みに配された電飾を見つけて、以前から光っていたはずだが、ここで初めて気付いたようになった。きらきらと光ってはい…

2016/11/14, Mon.

何をするでもなくただぼんやりとしながらものを口に運んで、ふと目を上げると、兆しはじめた薄い陽射しを、窓際の飾り時計が壁に反映させているのが知覚に捉えられた。飾りが回転するのに応じて、湯気のように、あるいは熱湯のなかで踊る溶き卵のように、柔…

2016/11/13, Sun.

一二分を座っているあいだ、窓を閉めていても外から鳥の鳴き声が耳に届いて、空気もなんとなく動きのあるようで静寂が耳に痛いほどの夜とはやはり違って、こちらのほうが同じ瞑想をするにしても気楽で面白い。窓から入ってくる光も、顔の左側に貼り付いて熱…

2016/11/12, Sat.

枕に頭を戻した時の視界の最奥、ベランダの向こうに立った隣家のさらにその先に、道沿いの林の木が陽射しを受けて艶めいているのが、目に入った。風をはらんで内側から膨らむように、葉が蠢くと、そのなかの到るところに散りばめられた白点が、クリスマスに…

2016/11/11, Fri.

手もとの服の皺を伸ばしながら視線を上げて外を見やると、雨はかすかに降り続いているようで、解像度の悪く細かなノイズが走るテレビ画面のように、空気はぶれている。空は真っ白で、中空に鈍い空虚が漂っているが、そんななかでも川沿いの木の一つがもうよ…