2016/10/27, Thu.

 洗濯物を取りにベランダに出ると、大層良い天気で光が空間に満ち満ちており、大きめのバスタオルを持って室内に入れば、外から射す陽射しがその表面に白く溜まって、目が眩しいくらいだった。

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 黄昏れの広がる道を曲がりざまに西空に目を向けると、緑をはらんだような青さのなかにかろうじて仄明るさが残っている。続く崖沿いの道を行っていると、前方から何やら、歌声のような響きが伝わってきた。さらに進むと、それは中学校から出るものだと分かり、実際には歌う声ではなく、何の部活動なのか、「こんにちは」だったか「こんばんは」だったかを叫んでいる女子生徒の声だったのだが、張りのある声たちはまっすぐに伸びて、それぞれに高さは異なるが、日常の話し声とは違って明確な音程を持ち合わせているので、その意味と形が露わになったあとでも、歌声めいて耳に響いた。