2016/11/4, Fri.

 卵とハムを焼いておかずにし、卓に就いて新聞を読みながら食べた。南窓はひらいて明るさが入りこんでおり、ページをめくればその際に、窓辺の水晶玉の弾く虹色の斑点が平板な色の紙の上にも、一点灯って逃げる午前である。食器を洗い、風呂洗いも済ませたのち、蕎麦茶をつぎながら外を見やると、瓦屋根の筋が白く際立って、空は濁りも瑕もなく清澄にさらさらと伸び広がっていた。

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 空気の調子は、家を出る前から体感でわかっていたが、前日よりはましで、身体を震わせるほどではない。家から街道に出るまでの一〇分以下の時間で、空はいよいよ暗んで、空にはどちらを向いても青い雲が染み付いて、振り向けば随分と濃い、澱みのような色で垂れ下がっているものの、それが薄れた一角には薄紅めいた色合いが、湯気のように仄かに立っていた。裏道に入る頃には、あたりはさらに宵めいている。両のポケットに握り拳を入れて膨らませながら行けば、南側の空には細く、ガラスに金属片によって刻まれた引っ搔き傷のような月が切れ目を作っていた。

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