2016/12/16, Fri.

 ここ二、三日でめっきり気温が落ちて、冬が一層深まった感がある。一番星がはっきりと輝く、暮れきった湖色の午後五時も、風が、吹き付けるというほどの勢いはなくて、道に沿って流れてこちらの身を過ぎていくだけでしかし、肌が震える冷たさである。街道に出てもその冷たさのために、自然と目を細めていると、かすんで狭くなった視界のなかに、正面から続々現れる車のライトが、車体から離れて鋭く伸びてきて、針のような先端を瞳に届けようとし、目の前が大方それに満たされて朧となる。大型のトラックやらダンプ車やらが、轟々とした音を撒き散らしながら横を過ぎて行くのに、遅れて風が巻かれてくるのがまた寒く、さらに瞼の隙間を細くさせる。