2016/12/29, Thu.

 ベランダに出ると例によって、林の上で大きく膨らむ太陽が、真正面から顔に向けて熱を送りつけて来て、額や頬のあたりが温かい。端に寄って、右手で額に庇を設けて降る純白を遮り、遠くを眺めた。空気中に満ちる無色で不可視の膜が視線の透過を妨害しては、山は薄紙を貼りつけて描いた絵のようなものである。