2017/1/13, Fri.

 往路、街道に出て、日向に入って陽を背にすると大層暖かく、肩口から膝の裏のあたりまで撫でられてほぐれる。その温みを愛しんで久しぶりに裏に入らず、表の歩道を進む。日向はそう多くもなくたびたび蔭が差し挟まれるが、そこを通るあいだも背に点って溜まった温もりが消えず、護りとなる。対岸、南側ではほとんど切れ目のない家蔭のなかを、脚を晒して寒々しく女子高生たちが駅に向かう。進んで道幅が狭くなると、向かいから湧く蔭がこちらのほうにも容易に届くようになり、背に宿った恩恵も次第に薄まる。屋根の切れた合間から覗く南の遠くの山は、その前に積まれた空気層が光を絡められてむしろ濁っているはずなのだが不思議と同時に、透過度を高められたようにも見えて、その奥で日光浴に磨かれて得々としているかのようである。

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 帰路、月が前日よりも東寄りになっているのが如実にわかる。翌日からはこの冬一番の冷えこみで、既に北陸や東北などでは雪も降っていたようで、さすがに空気が冷たく、身じろぎを僅かしても震えに転じかねないような様子だった。気温の低さと夜空の冴えと、関係があるのかないのか知らないが、藍色が凍てたように渡って星の映りが、ここ三日で一番良いように思った。