2017/2/20, Mon.

 家の前の掃き掃除を少ししてから、散歩に出た。午後四時前である。その頃には雨が降っており、粒と粒のあいだはひらき気味で、隙間のある降りだったが、その代わりに一粒がそれなりに大きく密度を持っていて、黒傘の表面がぱちぱちと鳴った。西に向かって歩いていると、灰雲のなかの、一段窪んだ白さの裏から光の感触が透けてきて、その明るみのなかで目の前を落ちる雨粒の輪郭がより明瞭になる瞬間もあった――殊更にゆっくりとした歩調で、三〇分ほど歩いて家に戻ってくる頃には、雨は止んだものの、空から青さは消えて薄灰色が全面を覆い、空気は仄暗く夕刻に向かいはじめていた。