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2017/2/21, Tue.

 往路、玄関を抜けて外気のなかに出た瞬間に、頬に触れる空気に擦過の感触が強いのが窺われる。春一番も吹き、花粉も飛びはじめて比較的温和な日が続いたなかで、久しぶりに冬らしく冴え返った日で、露出した顔のみならずスラックスの裏の脚まで冷たさが伝わってきた。空はこの日も褪せた青さでよくひらき、街道から西を振り返ると、穏やかな川面を上空から見下ろした時に映る水の襞のようなささやかな雲が掛かっており、山際では洩れる残照に、暖色混じりの純白に燃やされたもう少し厚い雲が、さながら練絹であった。

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