2017/3/2, Thu.

 往路、雨降りの日である。肩口は上着に守られて温もるが、外気の摩擦が鼻先に強く、冷たい。街道との交差点の脇の、ガードレール沿いに生えた紅梅は、枝を端から端まで膨らんだ花に装われて堂々と、揺らがずに静まっていた。表通りに出ると、風の動きが活発になって、走り去る車のあとから水飛沫も舞っている。向かいへ渡ろうと振り向き振り向き機会を窺っていると、前後で路面の色合いが異なるのに気づいた。背後の西は、空の際が青く籠もっていて、それが反映された道の上も、中空も青味を帯びているが、行く手の東側に伸びて行くアスファルトには一面石灰色が敷かれて、舗装し直されたかのようであり、白く濁った空がその色のためにかえって、西側よりも明るいようだった。