2017/7/30, Sun.

 この日もまた夕食後に歩きに出た。室内にいて気づかなかったが雨が通ったらしく、道は湿っており、かすかに名残った粒がぱらぱらと頼りなげに散っていた。三日連続、月の見えない暗夜で、この夜も道の先に灯った光の裏が大層暗く澱んで、家に挟まれて灯も乏しい裏道を行けば何となくその暗さが不安に思われるほどである。街道の分岐点まで来ると、この日は東に振り向かず、そのまま西に向かった。田舎町のことでガソリンスタンドからも既に灯が消え、並ぶ住宅が表情なく静まっているなかに、ただコンビニだけが皓々と、無菌的というような白さに明るんでいる。
 家が途切れて駐車場になった区画から、昼間は川向こうの地区まで見渡せるはずだが、今は上から下まで一様に闇に籠められて、低い位置に疎らな灯火が散るばかり、山の影すら映らず空に呑みこまれて、稜線のあたりだろう、雲が蟠っている箇所のみ辛うじて灰白に仄めいていた。隣駅まで到ったところで通りを渡って折り返したが、黙々と歩いているあいだにいつか、雨がやや繁くなっていたらしい。服と頭を湿されながら戻る道に車通りが絶えると、途端に足音が際立ち、しかしほかに人影も虫の音もなく遠くまで一挙に静寂が沁みて、その寂莫の広さにはっと驚かされる。カーブを曲がる車が宙を照らした一瞬、光の枠のなかに雨が露わに浮かび上がって、軽くてはっきりと落ちるでもないそれが羽毛の漂っているように見えた。

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