2017/8/22, Tue.

 朝の道に、久しぶりで薄陽が洩れている。さほど湿気た空気でもなく、閉塞感にも囲まれず、どちらかと言えば開放の感覚が大気中にあったようだ。裏路地の途中で陽射しがやや強まって、眩しさに視線を上げづらくなるが、熱が身体の前面に掛かってもやはり大した暑さでなくて、汗も転がるほどに湧かない。
 帰りは電車を取った。駅には通路にもホームにも、肌の浅黒いアジア系の姿が見られ、大学生が夏休みで山の方にでも遊びに行くのだろうか、正午過ぎの車内は気楽そうな若者たちで混み合っていた。降りると、陽がいくらか残っている。坂に入ると、ツクツクホウシの泡立つ声が初めは聞かれていたが、下りて行くうちに強く拡散するアブラゼミの響きがあたりを制して、ホウシの騒ぎもそれに呑みこまれて行った。