2018/2/1, Thu.

 やはり三時前に覚める。しかし、心身の緊張感というのはあまりなかったようだ。もう慣れたもので、さっさと薬を飲んで再度寝入り、何度か覚めながら八時頃まで眠った。起き上がる前に横たわったままボディスキャンをしておき、八時半頃、身を起こした。上階に行き、いつも通り母親に挨拶をして、ストーブの前に座る。ちょっと身体を温めてから洗面所に立ち、髪を梳かしたり顔を洗ったりする。食事は、炊飯器の米がもう最後だったので、固まったものを椀に取って、茶漬けにした。ほか、前夜の汁物の残りである。曇りの日で、何でもまた雪が降るとかいう話だった。
 食器を洗い、風呂も洗って下階に戻ると、一〇時前から読書を始める。トリスタン・グーリー/屋代通子訳『日常を探検に変える ナチュラル・エクスプローラーのすすめ』である。初めはベッドに腰掛けて読んでいたのが、じきに寝台の上に移って、布団を身に掛けながら脚を伸ばし、さらには終盤では枕に頭を乗せる、という風に移行しながら一二時半まで長く読み続けた。昼前の曇天は平板な白さのなかにほんの少し青さが含まれており、一一時頃だったか、窓の右上のほうに太陽の作る丸く小さな穴も見えた。途中、視界の端を何か横切ったと見れば、近所の家の電波受信アンテナの上に烏が一羽、止まっており、その様子をじっと見つめた。烏は後ろ羽をちょっと広げながら短めに鳴き声を上げていたが、それに応じたものか、遠くからもっと長く伸びた声が返るように響いてきていた。じきに、緩く滑空して、別の家の建物で隠されて見えないほうに行ってしまった。
 読書に切りを付けると、昼食を取りに上階に行く。母親は石油などを買いに出かけていた。うどんが一つあると書置きにあったので、冷蔵庫からそれを取り出し、フライパンを使って少々湯搔く。一方で、汁物はもう残りが乏しかったので、麺つゆと水を足して嵩増しし、湯搔いたものをそちらに入れて煮込みうどんとした。それを丼によそって卓に運んでから、豆腐を電子レンジで温めて、加熱を待ちながら食事を始める。豆腐も卓に並べて食べていると、母親が帰ってきた声がして、石油を運んでくれと言うものだから玄関から出て、車の後部に乗ったポリタンクを勝手口のほうに運んだ。ついでに、ポンプを使ってもう一つのタンクのほうに中身を移しておき、それから室内に戻って食事を続けた。
 昼食後には眠気が湧いていた。母親が、世界遺産を紹介するテレビ番組を録画しておいたらしく、それを流しはじめたので見る。取り上げられるのはベルギーはブリュージュで、ここは二〇一四年の渡欧の際に訪れた場所なので、それで母親も録画したのだ。見覚えがあるような運河や町並みの様子が映る。ブリュージュはその旧市街と、鐘楼と、ベギン会の修道院の三つが世界遺産として登録されているのだが、初めに紹介されたのは鐘楼だった。ここには多数の鐘が設置されていて、ピアノのようにしてそれを演奏できるのだ。と言っても、ピアノとは異なって鐘に繋がっているわけだから、その鍵盤は太く大きく、演奏者は拳を握り込むようにして叩いて奏でていた。鐘は、小さいものでは一二キロから、大きなものでは五トンにもなるとか言っていたと思う。
 その他、我々も訪れたマルクト広場やベギン会の修道院、また、なかには入らなかったがビールの醸造所なども映し出されるのを見て、下階に行った。三時前から他人のブログを読んでいる。その後、書き物に入って、四〇分ほどで四時に至ったので切りとすると、着替えをして、上階に行った。出るまでにまだ少し時間があったので、炬燵に入ってテレビを見ている母親の横で、ソファに就いて脚を入れさせてもらって、こちらもテレビを眺め、少々笑ったりもする。番組は、これも録画してあったのだろう、有吉弘行の『夜会』で、実演販売のカリスマのような人が出演して、品物を紹介していた。途中で歯を磨いていなかったことに気づいたので、歯磨きを済ませ、そうして出勤へ向かった。
 昼食のあいだから雨が始まっており、家を発つ時にも降り続いていた。この夜からまた雪になるとかいう話だった。辻まで行くと、八百屋が来ている。こんにちはと挨拶をして、少々やりとりをする。(……)
 街道を歩いていると、雨のなかに、ごく幽かなものではあるが既に雪が混じりはじめていて、地面に落ちる直前で左右に緩く振れる白い粒が見える。裏通りを進んでいると、男子中学生の集団が、傘も差さずに後ろから歩いてきて、賑やかにやりながら通り過ぎた。彼らはその後、一行のなかの誰かの家らしいアパートのベランダに寄って、柵を乗り越えて入ろうとしていた。
 (……)
 電車に乗って帰宅する。降りると、ホームには雪が敷かれはじめていた。その上を歩くともう、ぎゅっ、ぎゅっ、と踏み固める靴の音が立つくらいには積もっている。(……)
 着替えて、その後夕食である。(……)食後、自分も貰ってきた菓子を食べたが、これがなかなか美味いものだった。
 風呂に入っているあいだ、束子を持ってくるのを忘れたことに気づいたので、呼び出しボタンを押して母親に持ってきてもらった。そうして身体を擦り、出ると、湯たんぽを用意して、部屋に戻ると眠気に耐えられず、すぐに床に就いた。

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