2019/4/20, Sat.

 六時起床。それ以前にもたびたび覚めていた。アラームが鳴り出すと、ちょっと間を置いてからベッドを抜け出し、入り口の傍に寄って棚の上の携帯を手に取る。そうして鳴り響く音を停め、普段だったらここでふたたびベッドに戻って二度寝に入ってしまうところだが、今日は約束があるというわけで意志の力を働かせてベッドの外に留まった。上階へ。両親はまだ眠っている。南窓のカーテンのみ開け、陽射しを取り込む。自室にいる時にはカーテンを透かして太陽の色が部屋に入り込んでいたのだが、今は太陽は溶き卵のような雲に隠され気味だった。冷蔵庫からカレーのフライパンを取り出し、焜炉に掛けて温める。搔き混ぜながら加熱して、米をよそるとその上にカレーを掛けた。そうして卓に就いて食事。昨日の新聞によれば、今日の最高気温は一九度らしい。空の気配からすると屈託のない晴れ晴れとした快晴というわけにはいかなさそうだ。カレーを食べ終えると薬を飲み――アリピプラゾールとセルトラリン――台所に行ってカレーに使った大皿を水に浸けて放置しておく。そうして下階に戻った。
 コンピューターを点け、Twitterのリプライに返信を送っておき、その後このような朝早くから油ものだけれどポテトチップスをつまむ。チップスを食いながら、六時半から、久しぶりにSさんのブログを読んだ。「地面」の記事が良かったように思う。当たり前の話だが、やはり自分には容易に書けない感性の発露、意味の連なりを作っているなという感じ。その後、Mさんの日記、二日分。それで七時過ぎ。そこから日記を綴って――FISHMANS『Oh! Mountain』を今日も流したが、朝早くて父親などまだ起きていないだろうからヘッドフォンである――七時半前。
 前日の記事をブログに投稿。Amazonなどもう意に介さない。リンクを作らなくて良くなって、幾分楽になった。それから歯を磨き、昨夜のYさんからふたたびダイレクト・メッセージが送られてきたので、やり取り。傍ら、「記憶」記事を読むが、まだ眠っているであろう父親を慮って音楽も大きな音で流せないし、声も屈託なく出せないので、すぐに切り上げた。そうして八時。時間が前後するが、歯磨きのあとにもう服を着替えてしまっていた。寝巻きを脱いで、グレーのイージー・スリム・パンツとGLOBAL WORKのカラフルなチェック柄のシャツを上階に持って行き、ズボンにアイロンを掛けて皺を取った。ついでに母親のエプロンもアイロン掛けしておき、服を着ると部屋に戻って、「記憶」記事、という順番だったと思う。そうして八時を過ぎると便所に行って排便し、さらにもう洗濯が終わったらしかったので、上階に行って――この時朝ドラを映しているテレビは八時一四分を示していた――風呂を洗った。栓を抜いて、まだ生暖かい湯を流し、浴槽をブラシで擦る。そうして下階に戻ってくると、ここまで綴って八時半前。そろそろ出かけなくてはならない。
 上階に行って出発。玄関を抜けながら、結構寒いなと呟く。朝八時半過ぎの大気はやや冷やりとしていた。市営住宅に接した公園では桜の木が赤茶色に染まった上に葉の緑が乗り、梢には僅かに花弁の白が残っていた。坂を上って行き、最寄り駅へ。駅前で八重桜が咲いている。階段を上りながら左方を見やると、駅前広場にもドーム状の枝垂れた桜が一本立っている。ホームの先へ。手帳を取り出して日付だけ記入した。身体の平衡感覚に僅かなぶれが生じているようだった。やはり四時間半では眠りが少ないのだ。やって来た電車に乗車し、優先席にクラッチバッグを置いてその傍らに立ち、片手で手摺りを掴みながら片手で手帳をひらいてメモを復習した。
 青梅着。乗り換えの電車は既に向かいに停まっており、すぐ発車である。こちらの乗った電車が着いて扉がひらかないうちにもう発車ベルが鳴り出していた。それで降りるとすぐ向かいの車両に乗り換え、電車の揺れに逆らって歩いて行き、一つ隣の車両へ移った。そしてこれ以上揺れる車内を移動するのが億劫だったので、そこの三人掛けに座る。四号車である。
 やはり眠りが足りないような感じがあって、たびたび欠伸を漏らしたはずである。それでも目を閉じて休むことはせずに手帳のメモを復習した。途中、河辺で扉際に一人、ジャージ姿の女性が乗ってきた。その時点では運動部の高校生だろうかと思ったのだが、次の小作で同じジャージ姿の仲間が三人か四人乗ってきて、彼女らの顔を見ると高校生にしては大人びた顔をしており、また女子高校特有の姦しさで燥ぐこともなく、いくらか落ち着きがある。大学生だろうかと推測を改めたのだが、しかしこの近辺に大学はない。続くいくつかの駅で、同じ格好だがさらに年上の女性らが乗ってきて、それで社会人のチームか何からしいとわかった。それだけ人数が集まると、相応に賑やかにしていた。
 昭島で立った。こちらが降りる素振りを見せると、ジャージ姿の一団のうち二、三人がその場からずれて、出口までの道を譲ってくれたので、すみませんと会釈した。降りると、時刻は九時一〇分。ゆっくり歩いてホームを移動し、エスカレーターを上ると精算機に寄った。一万円を崩して一〇〇〇円札を作りたかったのだ。機械の前の出っ張りにバッグを置き、五〇〇〇円をSUICAに入金した。目論見通り、釣りとして一〇〇〇円札五枚を入手、領収証も発行して受け取ってから改札を抜け、北口の階段――エスカレーターだったか?――を降りる。選挙カーが朝も早くから駅前をうろついていたと思う。道を辿って北へ。盲人用押しボタンのある横断歩道を渡り、右折すると、道端の植え込みに白、薄ピンク、紫に寄ったピンク、強い赤と色とりどりの躑躅が咲き乱れ、群生していた。
 昭島MOVIX着。建物の外の植え込みの周りの段にでも腰掛けてメモを取りながらほかの面子を待とうかと思ったが、なかにも座る場所があるだろうと一旦確認しに行くことに。すると、入ってすぐ、フロアに入る前の廊下のような場所で早くもT田と遭遇した。これでメモは取れなくなったわけだ。おう、早いなと挨拶し、二人でフロアに入る。だだっ広い空間が広がっており、左手には席がいくつも並び、正面奥のい左側にはチケット売り場があって、右手には飲食物売り場が設けられており、そのあいだの天井付近には映画の宣伝映像を流す大型のモニターが取りつけられていた。ずっと右方の壁の向こうにはトイレである。左方へ折れて、並ぶ席の脇を通り、フロアの隅の機械へと行く。T田が操作するのを後ろから覗き見ると、購入番号と電話番号を入力していた。それでチケット五枚が入手された。もうここで代金を払ってしまおうと提案し、一五〇〇円だと言うので、崩して手に入れた一〇〇〇円札と百円玉五枚を渡した。金を払うと、こんなことを言うのは僭越なのかもしれないが、とT田は前置いてから、俺たちと出かけるたびに結構金が掛かると思うけれど大丈夫なのかと。笑って、まだ貯金があると答える。それで一旦フロアから出てほかの面子を待ちながら、それにそろそろまた働きはじめようと思ってはいると付け足す。しかし、働くのは面倒臭えと嘆き。このあいだ俺の家に来た時、ムージルって作家を紹介しただろ、と。そいつが『特性のない男』っていう長いやつを書いていて、ハードカバーで六巻あるんだけど、それを読んでからにしようかなどと考えていると言うと、T田は大きく笑った。ニートの期間に読めるものを読んでおきたいからな。
 そうこうしているうちにまもなく、M田さんがやって来た。こんにちはと挨拶。その次にKくん。彼は手に喫茶店の紙コップを持っていた。エクセルシオールのものらしい。いつもはスター・バックスで買うと言う。そうして最後にTが来た。彼女は薄い温かみのある褐色のコートを羽織っていた。Kくんは、あれはステンカラー・コートというものだろうか、薄手のつるつるしていそうな素材のベージュのコート。T田は上着を身につけておらず、シャツのみで、下はモスグリーンのズボンだった。
 フロアへ戻る。女性二人は、飲み物を買いに行った。飲食物売り場には人々が大挙しており、列が蛇行して長く続いて頭が群れ並んでいて、二人がどこにいるのかまったくわからなかった。男三人で入口付近に立ち尽くして待つ。宣伝映像のモニターを見上げていると、『名探偵ピカチュウ』というハリウッド作品の広告が流れる。ピカチュウの声が低く渋くて、まったく見た目に合っていないなと突っ込みながら見る。シュールである。ポケット・モンスターいわゆるポケモンは海外で人気があるようだ。のち、シアター内で目にした映画が始まる前の宣伝紹介のなかにも、『ミュウツーの逆襲』のそれが流れていた。これも多分ハリウッドで、以前日本で映画化された作品をあちらの流儀でリメイクしたものということらしい。興行収入が全米ナンバー一とか何とか言っていたような気がする。
 じきに女性二人が帰ってきた。Tは紙の容器に入ったコーラを持っていた。そうして入場。もぎりの女性にチケットを渡すと、何か黄色い包みに包まれた四角形の薄い品を渡された。公開一週目の入場者にプレゼントしている特典の製品らしく、あとで見ると、あれは多分コースターなのだろうか、それとも単なるカードでコースターの用途はないのだろうか、黄前久美子高坂麗奈がアイスクリームを食べている絵が描かれてあって、左上にはHappy Ice Creamと文字が入れられており――これは劇中で、話し相手と偶然発言が被った時にすかさず「ハッピー・アイスクリーム!」と言うと、それを言われた相手の方はアイスを奢らなければ行けない、という遊びがあってそこから取ったのだ――、その脇に小さく、「京都アニメーション 池田晶子 キャラデ」と署名が記されてあった。
 シアター一二に入る。席は比較的前の方、列の右端から五席だった。アニメ作品の宣伝が色々出てのち、例の、撮影録音禁止の勧告を行う、くねくねした動きのキャラクターの映像が出る。そうして上演開始。『劇場版 響け! ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~』である。朱色に塗られた橋の上での、塚本秀一による黄前久美子への告白シーンから始まる。あとでKくんが言っていたところによると、これは京都アニメーションのほかの作品と繋がっているらしい。序盤、早速演奏シーンがある。PUFFYの曲、"これが私の生きる道"である。エレキベースとギターが編成に含まれていた。
 印象に残っているのは、黄前と高坂が祭りの夜に丘の上の東屋みたいな場所で話すシーンである。黄前は塚本とのデートで夏祭りに来て遊んでいたのだが、そのあと、路上で話している時に彼女は躓き、塚本に抱きとめられる格好になる。そこで塚本はキスをしようとゆっくりと顔を近づけるのだったが、黄前はそれを拒否し、こんなところで、信じられない、と言って、彼を叩いて走って逃げ去ってしまう。走ってきて息を切らしながら立ち止まったのは丘上に続く階段の下で、そこで高坂の吹くトランペットの音を耳にして彼女は登って行くのだ。邂逅すると黄前は高坂に、何でここにいるのか、家まで行ってしまうところだったと言い、高坂の方は、塚本とのデートなのだから、本当に家に来るとは思っていなかった、と告げる。
 そこで交わされる話は、将来はどうする、といったような事柄である。高坂は、自分の生きた証を残したい、と宣言する。それは彼女にとっては、トランペットを吹き、その音を他者に届けることである。あるいはそれを言っていたのは海の場面だったかもしれない、記憶が曖昧である。その水場のシーンでは、これはこちらは気づかなかったが、黄前と高坂の水着が色違いでお揃いだったらしい。仲の良さの符牒である。
 東屋での会話に戻ると、何か吹いてよ、と言う黄前に対して高坂はいいよ、と答えるのだが、この時の「いいよ」の声のトーンが、優しさが籠ったようなもので単純に耳に快かった。女性同士の同性愛的な関係、それが言い過ぎならば性愛未満だが友情以上の関係――おそらくこの多感な時期にしかない、特有の繊細な人間関係としての――というのが、この作品の主題の一つだろう。これより以前の劇中では、後輩の鈴木美玲によって、二人の距離の近さが指摘されるという場面もあったし、高坂が、この先黄前と一緒にいられなくなるのではないかという不安を漏らす一幕もどこかにあったはずだ。実際、この「何か吹いてよ」「いいよ」のやり取りのトーンは、ほとんど恋人の睦言めいたような響きを帯びていたように思う。しかもそれは、塚本という男の恋人からのキスを拒絶して逃げ出したあとのことなのだ。会話の途中、高坂が"リズと青い鳥"の旋律を吹き出すその前に、黄前が祭りで買ってきた蜜柑飴を食べ合うシーンがある。高坂が先に齧り、それを差し出されて続いて黄前が反対側を齧る。このやり取りを目にした時、これは接吻のメタファーなのではないかと思い当たった。それを連想させるようなエロティックな香りが、ほんの幽かにではあるものの、漂っていたように思う。繰り返しになるが、このシーンは塚本とのキスを拒んだあとのことである。蜜柑飴の齧り合いが接吻の代理なのだとすると、黄前は男性の恋人である塚本を拒否して女性の親友である高坂とのそれを選んだとも読めるのではないか。実際のちに、黄前は塚本とは距離を置くという選択を取ることになる――その時の理由あるいは言い訳としては、コンクールに向けての練習や、後輩の指導や、将来を考えることなど、色々な事柄をいっぺんに、同時並行では出来ない、考えられない、ということだったが。
 ほかに大きかったテーマとしては、「呼び方」の問題があるだろう。脇役のキャラクターではあるが、月永求は「月永」という名字で呼ばれるのを嫌がる。これは北宇治高校のライバルである龍星高校の吹奏楽部の顧問が彼の父親で、劇中ではっきりとは描かれていないが、その父親との確執か何かがあるようで、彼はこの名字そのものを嫌っているのだ。また、鈴木美玲は「みっちゃん」という渾名で呼ばれるのを強く拒否する。それは、小学校時代の同級生、鈴木さつきと「さっちゃん」「みっちゃん」として、「ニコイチのように」扱われるのが腹立たしいからである。彼女は、自分よりも演奏の腕がないのにその人柄でもって先輩たちからも可愛がられている鈴木さつきを見ると、どうしても苛々してしまうのだ。その苛立ちが爆発してしまうのがマーチング大会の本番直前で、鈴木美玲はそこで、演奏するのをやめると言って泣きながら集団から離れてしまう。久石奏と黄前久美子がそれを追いかけて行って説得に当たるのだが、そこで黄前が提案するのは、まずは「みっちゃん」という呼び方を受け入れてみればということである。実際に鈴木美玲はそれを受け入れ、皆の元に戻り、本番の演奏は無事遂行されて、それを機に二人の鈴木の間柄は回復することになる。
 また、本音を漏らさず相手の先を取る八方美人的な外観を纏っていながらその実癖の強い久石奏は最初、黄前久美子のことを「黄前先輩」と呼んでいたが、ある時点から「久美子先輩」と下の名前で呼ぶことになる。それが正確にどの時点からだったか残念ながら覚えていないのだが、曖昧で不確かな記憶によると、まさしく先の鈴木美玲の引き起こした一悶着があって、黄前が彼女の説得に成功したそのあとだったのではなかったか。その黄前は劇の結びに至って、久石奏に「部長」と呼ばれているわけで、久石―黄前間の関係だけ見ると、この物語は、前者から後者への呼び方が、「黄前先輩」「久美子先輩」「部長」と推移していくまでの物語だったと言えるかもしれない――もっとも、「部長」と呼ばれるのは終幕における一回だけなので、物語への寄与は薄いが――そのほか、副部長である中川夏紀も初めは久石奏のことを「久石ちゃん」と読んでいたのだが、彼女のオーディション時における喧嘩の最中には、思わず出たといった感じで「奏」と呼び捨てにしている。このあたりの「呼び名」の変遷を結節点にして、登場人物の関係の変化を追って行くとわかりやすい整理がなされるかもしれないなと思った。
 あとは音楽、演奏シーンが当然ながら良かった。"リズと青い鳥"の演奏、特に第三楽章の、鎧塚みぞれによる朗々と飛翔するオーボエソロである。ただ、演奏のあいだにワンカット、天井の照明に焦点が合って画面がぐるぐると回転するという映像が差し込まれていたが、この演出の意味がわからないと言ってKくんは気にしていた。
 クレジットとともに流されたテーマソングは少々明るくポップ過ぎたようにこちらとしては思われて、このまま終わっては余韻のようなものがまったくないなと思っていたところ、クレジットがすべて流れ終わったあとに、その後のことがほんの少しだけ語られたので――黄前が久石奏から「部長」と呼ばれる結びの場面だ――安心した。
 終幕。人々が席から立って続々と退場していく。こちらはほかの観客たちが捌けていったあとから出たかったので、早速立ち上がっていた隣のT田に、もう行くのと言って引き留める。それから反対側の隣に座っていたTに、めっちゃ泣いてたやんと笑う。そのうちに人の流れが少なくなったので、退場。通路を辿ってフロアに戻り、トイレへ行った。放尿してきて戻ると外へ。建物から出て、高架歩廊に上がり、道を挟んで向かいにあるモリタウンのなかに入る。女性陣二人の先導で様々なショップの横を通っていき、フード―コートに着いた。食事である。
 テーブルをくっつけて六人掛けの席を作った。T田、M田さん、Tの三人は食事を買いに行き、こちらとKくんが席に残った。はあーとため息をつくと、Kくんは笑って、どうした、と訊いてくる。脚を前にだらりと伸ばして、疲れた、と答える。あれだけの密度の物語を見ると疲れるんだよなとKくん。お腹減ってないもん、今、あれで満腹なんだよな。同意した。実際、時刻は一二時頃だったはずだが、腹が減った感じはあまりなかった――それでも食べ出せば食べられるだろうとは思われたが。じきに、M田さんが戻ってくる。M田さん、今日は何の用事なのと問いかけると、先輩と新大久保の楽器屋に行くのだと言う。M田さんは先輩にマウスピースを借りていたのを返したいのだったが、先輩の方は新しい楽器を買うらしく、それに付き合うのだと。楽器と言うのはユーフォニアムである。M田さんは話しながら、ユーフォニアムのずらりと並んだカタログを取り出した。自分の楽器はこれだとなかの一つを指差したところで、料理の出来たことを知らせる小型機械が鳴ったのだったと思う。それで彼女は席を離れ、ほとんど同時にT田が席に戻ってきていたと思う。こちらも買いに出る。ちゃんぽんを食うと決めていた。それで並ぶ席のあいだをくぐってリンガーハットの店舗へ。メニュー看板を見て、スナックちゃんぽんという安めの、ということはおそらく量の少ない品にしようかと迷ったが、まあ食べられるだろうというわけで結局普通の長崎ちゃんぽんを選んだ。注文。六三七円を支払い、小型の機械を渡される。動画の流れるモニターがついていて、時間が来れば音をピーピー鳴らして料理が出来たことを知らせてくれる道具である。そうして席に戻り、雑談を交わしつつ――と言ってこちらは例によって黙りがちだったと思うが――待つ。何を話したのかは覚えていない。じきにTとT田は品を取ってくる。二人ともこちらと同じくリンガーハットで注文したものである。Tはちゃんぽんの掛かったかた焼きそばのようなもの、T田の品は混ぜそばのようなもの。混ぜ何とか、とメニューにはあったが、何とか、の部分が思い出せないとT田は漏らしていた。KくんもSUBWAYのサンドを持ってきて、そのうちにこちらの機械も鳴ったので取りに行った。大きな丼の乗ったトレイを、手を滑らせないようにしっかり持って慎重に運んで行った。
 会話は覚えていない。映画の話は当然出ていたはずだが、こちらは大した感想もないので大方黙っていた。ただ、一度発言した時があって、それは月永求のことである。彼も考えると切ない人間だなと言ったのだ。何で、とTが訊いてくるのに、レベルの低い龍星中学からわざわざ北宇治高校に来たのに、その元々彼の属していたライバル校である龍星高校――しかもそこの新しい指導者は彼の父親である――に全国大会への切符を奪われてしまったからだ、と。
 食後、Kくんが突如としてヤクルトを一本取り出した。それを見て、M田さんは大きな反応を見せてヤクルトを讃美してみせる。会社の研修か何かでセブ島に行ったことがあるらしいのだが、その時、ヤクルトがなかったら死んでいたと大袈裟に話した。英語の作文を課せられたのだが、それもヤクルトについて書いたほど、その時期はヤクルトに感謝していたらしい。ほか、そこに滞在した四週間のうち、三週間ほどは風邪を引いていたのだが、気力も絶え絶えになった最後の週にスーパーで「リポビタンD」を発見して、それで乗り切ることができ、大正製薬の偉大さを知ったというようなことを話していた。ヤクルトについてからリポビタンDについてまで、独壇場という感じで彼女はテンション高く一気に喋り続けて、ヤクルトでそれほどテンションが上がる人間は初めて見るものだった。
 そのうちにそのM田さんは用事のために去った。去り際にTが菓子だったか何だったか――菓子ではなかったか? しかし何だったのかが思い出せない――を渡していた。それを見てこちらも、M田さんが去ったあと、Tに声を掛け、音源を持ってきたからと告げ、ディスクユニオンの袋に包まれた五枚のCDをバッグから取り出して渡す。TがなかからCDを取り出すので、一つずつ簡単な説明を加える。まず最初に、Marvin Gaye『What's Going On』。これはソウルの名盤である。とにかくベースを聞け、と強調する。次にGretchen Parlato『Live In NYC』。これはあまり簡単な音楽ではないが、歌が入っているものなので、ボーカルの参考にでもなればと。そしてご存知FISHMANSのライブ盤、『Oh! Mountain』。ここ一か月ほど毎日流していると告げた。cero『Obscure Ride』。最近のバンドであり、ジャズやソウルなど混ぜた感じのポップスで、メロディーの作り方やリズムが独特なので参考になればと。そしてBill Evans Trio『Waltz For Debby』。超名盤。あまりにも名盤なので、これは差し上げると半ば押しつけるようにして贈呈した。そうして説明しているとT田が、実はこれから俺の家に来てもらうつもりなんだと明かし、その時にリッピングさせてくれと言うので了承した。そこで流して、Tにも聞いてもらえば良い。
 Tも皆に渡すものを持っていた。三峯神社のお守りである。表面に大きく「氣」と書いてあった。三峯神社というのはどこにあるのかと訊くと、秩父から山の中に一時間半ほど行った僻地にあるのだと言う。
 じきに出発することに。トレイを片手に、バッグをもう片手に持って立つ。返却口までトレイを運んでいき、店員にごちそうさまでしたと声を掛けて、待っているT田とKくんのところへ。そうして出発。モリタウンを抜けて外へ。陽射しがあった。T谷のことをTと並んで話しながら歩く。T谷くんは運動部っぽくはないとTは言う。前の二人のことも、運動部にはいないなと言うので、自分も含めて揃いも揃って皆ひょろひょろだからなとこちら。Tの感じ方では、自分自身は運動部にいそうなタイプで、M田さんはやはり吹奏楽部、文化部にいそうなタイプであるらしい。
 Tが金を下ろすために銀行に寄りたいと言うので、駅前で止まって、Tが銀行に行っているあいだ三人で待つ。駅前では市議会選の候補者が演説をしており、ベトナム戦争の時代には横田基地からも出動があって云々と話していたが、彼は何故か自身についてではなくて、誰かほかの人について話していたようだった。じきにTが戻って来たので駅に入り、ホームへ。電車に乗る。移動の電車内では、先ほど観た映画の、サブタイトルの「誓いのフィナーレ」の意味がわからないなと言ってKくんが一生懸命考えていた。こちらはさほど興味はないので黙っていた。そうして立川着。階段を上がって通路を移動し、南武線へ。快速の川崎行きへ乗る。T田の家は稲城長沼にある。南武線の電車内では、また「誓いのフィナーレ」というタイトルについての考察がなされていたと思う。確かに、誰かが何かを誓っていたような場面もなかったし、フィナーレというのも何が終わったのかよくわからない。現三年生の全国大会への挑戦が終わったことは間違いないのだろうが。最後に黄前久美子が部長になっていることが明かされたわけで、どちらかと言うと、今回の物語は終わりと言うよりは、黄前の三年生篇に向けての始まりの物語になっていたと思う。その点で「誓いのフィナーレ」と言うよりは、「フィナーレへの誓い」と言ったほうが適切だよねとそんな話がなされた。
 稲城長沼で降車。改札を抜け、駅にあるwelciaに寄って何か飲み物や菓子など買って行くことに。こちらは「Gokuri」というグレープフルーツジュースを選び、M&M'sのチョコレートを二袋買った。三四〇円。そのほかT田が「新潟仕込み」煎餅を買い、Tは「きのこの山」と「たけのこの里」が両方入った品、Kくんが何を買っていたのかは忘れた、と言うかよく見ていなかった。棚のあいだにいる時、Aerosmithの"Walk This Way"のあの特徴的なリフが店内に掛かって、思わず、うわ、懐かしいと呟いた。Aerosmithだ、まさかここでAerosmithを聞くとは思わなかったと。音源はAerosmithオリジナルのものではなく、打ち込み加工されたものだった。
 それで駅から歩いて、近間のT田宅へ。Tは日傘を射していた。実際薄陽射しがあってそこそこ暑かったのだ。T田宅着。玄関を入り、お邪魔しますと言いながら靴を脱いで上がる。T田のお母さんが姿を現したので挨拶。彼女はスーパーで働いているらしく、サラダを作ったのを四人分、冷蔵庫に置いておいたと言う。そのほか、メンチやコロッケ、春巻きも用意してある、手作りの食べ物でなくて申し訳ないがと言うので、とんでもないと恐縮して皆で礼を言った。まもなく、二階のT田の部屋へ。急な階段を上がって行く。T田の部屋はこちらの部屋と同じくらいの狭さである。椅子も机に付属した一脚しかないので――と言うか椅子を置くようなスペースすらないわけだが――畳敷きの床に直接腰を下ろす。それで飲み物を飲んだり、買ってきた菓子を食ったりしながら雑談ほか。こちらの持ってきたCDを流す。最初はMarvin Gaye『What's Going On』。次にcero。何を話していたのかは全然覚えていない。T田にプラトンイデア論についてちょっと講釈したのは覚えているが、詳しく書く気力は起きない。こちらは「Gokuri」を飲んだり、M&M'sチョコレートをつまんだりしつつ、音楽に合わせて指を鳴らしたり身体を揺らしたりしていた。ポスターの配布がなされた時間があった。『響け! ユーフォニアム』の特典である。しかしこちらはアニメのポスターなど貰っても貼る場所もないしそのつもりもないので、Kくんに俺の分も貰っていいよと譲ることにした。そのうちにかっぱえびせんが開けられたが――おそらくKくんが買ったのだろう――こちらはあまり腹が減っていなかったので一つも口にしなかった。この時間のあいだだったか定かにはわからないが、Tに、楽しいって感情は戻ったのと訊かれた時があった。あまり楽しいという感じもこちらにはないのだが、苦痛もない。本当に精神状態は普通で中庸で平静といった感じであり、それで特に困ってもいないし、不満を感じてもいない、概ね満足している。そのように答えるとTは納得し、安心していたようだった。
 それでかっぱえびせんがなくなるとそれを機に、場所を移って音源の修正をすることになった。部屋を出て、階段近くの別室に移動する。そこには大きなモニターのコンピューターが置かれてあり、傍らには電子ピアノもあって、ここでどうやらT田はいつも録音をしたり音源の加工をしたりしているらしい。それでTが作った新しい、先日吉祥寺の喫茶店「多奈加亭」で聞かせてもらったやつだが、あの音源のボーカルのタイミングを修正していくことになった。音源を細かく区切って流しては止め、皆が聞いてここはちょっとずれているなと、違和感があるなという部分を発見していき、T田がCubaseを操作して、リズムや発声のタイミングを細かく調整していく。これに結構時間が掛かって、一通り終わる頃には六時半か七時くらいに至っていたはずだ。それで食事を取ることになって、下階に移った。四人掛けのテーブルに就く。席順は、背後を壁にしたこちらから見て、右隣がT田、正面がT、その右隣がKくんである。T田がコロッケやメンチ、春巻きを電子レンジで温めたり、皆の分の米を椀によそったりしてくれた。それでT田の母君が作ってくれたスーパーのサラダも分け合って食べる。こちらは海老やコーンの入ったスナップエンドウのサラダと、揚げ物はメンチを頂き、メンチと春巻きを細かく千切っておかずにしながら白米を食した。食事中は、部屋の片隅にあったコンポでGretchen Parlato『Live In NYC』が流された。T田が、それではついていけないほどシャレオツな音楽を流そうと言って紹介したのだ。Tが聞くには結構難しい音楽かもしれないが、何かの参考になってくれると有り難いと思う。食事中は彼女の学校の話などが話題に上がっていたと思う。
 それで食事を終えるとふたたび上階へ、T田の部屋へ戻った。ちょっとしてから、Bill Evans Trio『Waltz For Debby』が流された。こちらは例によって音楽に合わせて指を鳴らしたりしてリズムを取る。それを聞きながら、T田に、何かCD貸してよと要求した。ジャンルはと言うので、クラシックで行ってみるかと。完璧なクラシックを貸してくれと難題を吹っ掛けた。T田は、CDラックを探りながら、その言葉を待っていた、二〇パーセントくらい、と冗談を言った。彼はどれを選ぼうかと色々見比べながら長いこと迷っていた。随分たくさんの音源を持っているものだった。上限はと訊かれるので、じゃあ五枚まででと言ったが、結局彼は完璧だと思われる演奏の含まれているCDを四枚選んでくれた。Leopold Stokowski: New Philharmonia Orchestra『Tchaikovsky: Symphony #5; Mussorgsky/Stokowski: Pictures At An Exhibition』、『Svetlanov - Rimsky-Korsakov: Scheherazade - Mlada: Procession of the Nobles - Scriabin: La Poeme de l'extase』、Evgeny Kissin『Schumann: Kreisleriana; Beethoven: Rondos, Etc.』、『伊福部 昭の芸術 10 凛 - 生誕100年記念・初期傑作集』である。一つ目は、チャイコフスキーの方の第二楽章が、いわゆる美しいクラシック音楽のなかでは最高峰であるとの評価だった。二つ目は、のちにLINEで送られてきたT田本人の評言を引くと、「さっき話したとおりリムスキーコルサコフシェエラザードは4楽章構成で、その演奏では特に第3楽章(トラック4)のスローテンポでも息切れ感や先走りのない厚い盛り上がりと、第4楽章(トラック5)の高精度なアンサンブルとメリハリが素晴らしい。トラック6の法悦の詩も強力かつ高精度なアンサンブルで、この曲の尖った魅力が最大限に引き出されている」とのこと。三つ目はいわゆる超絶技巧のピアノだが、しかし同時に非常に音楽的でもあると思うと彼は言っていた。四つ目の伊福部昭というのは『ゴジラ』の音楽を作曲した人らしいのだが――そして『ゴジラ』の有名なあのテーマの動機というのは、T田のクラシック選集の最後に入っていたラヴェルのピアノ協奏曲から取ったものらしいのだが――この人の"日本狂詩曲"というのが素晴らしいとのことだった。
 そのうちに、音楽をBill Evans TrioからFISHMANS『Oh! Mountain』に変える。その頃Tは、先の別室に移ってピアノのフレーズを練習していた。そう言えば書き忘れていたが、先ほど音源の修正をしていた時間の最後の方で、電子ピアノを弄らせてもらって遊びながら、Tにペンタトニック・スケールを教示した時間があった。Cをルートとするとこうだと五音を弾き、これに短五度の音を加えると途端にブルースっぽくなる、などと教えたのだった。AをルートとするAマイナー・ペンタトニックはすべて白鍵の音になる、これはCをルートとして考えると四度のファと七度のシが抜けた音階なので、ヨナ抜き音階などと呼ばれて日本の音楽に用いられたりもしている、この五音だけだと何となく祭り囃子っぽくなるので、その時はやはり短五度のEフラットを加えればぐっとブルースになる。そんなことを話しながら、適当に鍵盤を弄って拙いアドリブフレーズを奏でたのだった。それで、FISHMANSを流しているあいだはTはずっとその別室に行って練習しており、音楽が途切れた合間など、彼女の奏でるピアノの音が差し込まれて聞こえてくるのだった。こちらは例によって指を鳴らしたり、小さな声で歌を口ずさんだりする。八曲目の"感謝(驚)"が流れている時、音源を選んでいたT田が、これいいねと言うので、さすがに良い耳をしていると思った。『Oh! Mountain』の"感謝(驚)"は、あのライブ盤のなかでも、こちらが一番好きかもしれない曲である。
 『Oh! Mountain』が終盤の"チャンス"に差し掛かったあたりでTは戻ってきた。その頃にはもう八時半を超えて九時に近づいていたのではないか。八時半になった時点で、時計を見やって、もう一二時間も外にいるよと漏らすとKくんが、一二時間は凄いなと答えた。それでTが戻ってくると、T田は、グルジアの合唱曲で聞かせたい音源があると言ってコンピューターを操作し、それを流しだしたのだが、冒頭、「おお、祟りだろう」という日本語にしか聞こえない発音のフレーズが入っていて、それが一番面白かった。肝心の音楽内容はと言えば、グルジアン・ポリフォニーと言うらしいのだが、非常に複雑な和声が曲の最初から最後まで続く合唱で、一体これはどんな和音になっているのだと不思議だった。
 それで、お暇することに。部屋を出て急な階段を下階に下りていき、玄関を抜けてお邪魔しましたと挨拶をした。そうして駅へ歩く。電車までやや時間があったので、改札の外でまた少々話しながら時間を潰した。この時T田から、来年、俺のルームメイトにならないかと誘われた。どうやら来年あたりから実家を出るような計画が持ち上がっているらしいが、その移転先が何と大阪の可能性が高いと言う。大阪と言えばKくんの実家のある地である。T田のその誘いには、考えておくと答えておいた。
 それで九時四〇分頃になってそれでは行くかとなった。ありがとうございましたと互いに礼を言って別れ、改札を抜け、振り返り振り返りしつつ手を上げる。エスカレーターに乗ってからも振り返ると改札の外にいるT田の姿が見えたので、それが見えなくなるまで右手を掲げておいた。ホームに上がる。電車が来るちょっと前、Kくんに、Bill Evans Trioのあの音源はどこが完璧なのかと聞かれたので、以前にMさんやHさんと会った時に語ったようなこと――日記にも書いたが――をふたたび語った。ジャズだからあの演奏はアドリブであるわけだが、どんなに上手い奏者でもライブ音源など聞けば、大体、いまここで考えているなという間であったり、ちょっと詰まっている箇所であったりが散見される。ところがあのライブのBill Evansにはそれがまったくと言って良いほどにないのだ。だから彼は、考えていないかのようなのだ、自動的に、まるで機械のように動いているかのよう、自分が弾くべき音を既に知っているかのいようなのだと話しているうちに電車がやって来た。それで乗ったあとに続いて、だからあまりに明快で明晰に過ぎる、そこが異常なところだねを話し、続いてScott Lafaroについても少々触れた。あの音源はベースも狂っていて、Scott Lafaroと言って若くして交通事故で亡くなってしまった人なんだけれど、普通のピアノトリオと言うのはベースとドラムがきちんと一定のリズムを刻んでその上でピアノがアドリブをする、しかしBill Evansのあのトリオはピアノのソロの裏で、ベースもまた終始ソロを取っているような感じなのだ、だからピアノの裏でのベースの動きに注意して聞いてみてほしいとTに伝えた。
 それから、Kくんにまた、今日の映画のなかで気になったことはあったと訊かれた。それに対してこちらは、やはり呼び名の変化が気になったと答えて上に書いたようなことをちょっと解説した。Kくんに同じ問いを訊き返すと、色々あったよと彼は答える。そのなかで挙げられたのは、久石奏の第一印象のことで、彼女が劇中に現れたのを見てまもなく、Kくんは彼女が吹奏楽の経験者であり演奏が上手いキャラクターであるということを直感したと言うのだが、そうした第一印象を与えるに至った要因は一体何だったのかというのが不思議だったらしい。確かに、久石奏は初めのうちはその実力についての他人からの言及や描写は特段なかったようで、彼女の演奏が上手いということが明らかになってくるのは、副部長の中川夏紀との関係が生じてきてからだったように思う。そんなことを話しながら電車に揺られ、立川に着くと降車して階段を上った。こちらは一番線、TとKくんは三番線である。それで、三・四番線ホームに入る下り口のところで向かい合い、またちょっと話をした。そうしているうちに一〇時七分の東京行きの発車が間近になったので、話の途切れた隙をついて、もう行きなと二人に促すと、彼らは同意して下りはじめたので、手を挙げて、ありがとうと言って別れた。そうして一番線へ。電車に乗ると早速携帯電話を取り出し、メモを取り出す。道中の時間はすべてメモに費やし、青梅について奥多摩行きに乗ってからも同様。最寄り駅で降りると、満月が南の空に、雲がいくらか空に掛かっているようで縁が赤くなった光暈を広げていた。星はほとんど見えなかった。
 帰路を辿って帰宅。服を着替えてから入浴。そうして部屋に戻ると、ポテトチップス(しあわせバター味)をぱりぱりやりながら、T田から借りた音源をコンピューターにインポートする。その後、日記を書く気力はなかったので、一時からベッドに移って読書を始めた。神崎繁『内乱の政治哲学――忘却と制圧』である。疲労感が全身に蟠り、特に脚がこごっているようだった。そういうわけで、記録上は二時半まで一時間半、読んだことになっているのだが、九頁から僅か一二頁までしか進んでいないところを見ると、ほとんど意識を曖昧にしていたのではないか。そうして就寝。


・作文
 7:05 - 7:24 = 19分
 8:19 - 8:26 = 7分
 計: 26分

・読書
 6:32 - 7:05 = 33分
 7:48 - 8:00 = 12分
 25:00 - 26:30 = 1時間30分
 計: 2時間15分

  • 「at-oyr」: 「銃後」; 「花見」; 「ROMA」; 「親」; 「AOC」; 「期初」; 「オタク」; 「一人で」; 「大雅、芳崖、由一、カプーア」; 「地面」; 「今週」
  • 「わたしたちが塩の柱になるとき」: 2019-04-16「潮騒を模したあなたの寝息が地球の上を半周するとき」; 2019-04-17「句読点の位置が変な文章にどこか似ている今日のできごと」
  • 「記憶」: 112 - 115
  • 神崎繁『内乱の政治哲学――忘却と制圧』: 9 - 12

・睡眠
 1:35 - 6:00 = 4時間25分

・音楽

  • FISHMANS『Oh! Mountain』
  • 『Classical Music Selection』