2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2020/7/31, Fri.

ワルシャワ・ゲットーは、一九四〇年一〇月半ばに作られたが、縦四キロ、横二・五キロの空間(市面積の2.4%)に約四五万名(一九四一年春。ワルシャワ人口の約30%)が詰め込まれていた。一九四一年一月から配給がはじまったが、一人当たりの一日の配給量は…

2020/7/30, Thu.

ポーランド降伏の翌[一九三九年]一〇月七日、ヒトラーはヒムラーを「ドイツ民族強化全権」に任命し、東方における民族新秩序計画の策定・実施を行うように命じた。このドイツ民族強化全権には、ヒトラーの指令によって、「ドイツ国家および民族共同体にとっ…

2020/7/29, Wed.

一九三八年一一月八日、親衛隊長官(親衛隊全国指導者兼ドイツ警察長官)ヒムラーは、親衛隊将校団の中将以上を集めた定例全国幹部会議の席上で、以下のように話した。 今後一〇年の間に、われわれは危機的対決に直面する。(中略)諸国家の闘争にとどまらず…

2020/7/28, Tue.

一九三九年三月一四日、チェコスロヴァキアが解体され、チェコがドイツのベーメン・メーレン保護領(ボヘミア・モラヴィア保護領)になる(……) (芝健介『ホロコースト』中公新書、二〇〇八年、61) 一二時半ごろ覚醒。カーテンをひらいたその先、アサガオ…

2020/7/27, Mon.

[「水晶の夜」]事件の捜査指揮はゲスターポの専権となったが、その後の刑訴手続きはナチ党裁判所が執り、犯罪行為についてどの刑事罰に相当するかの判断をナチ党が独占した。ヒトラーへの免訴願が出され、党による処罰も「真っ当なナチ党員の態度・出動準備…

2020/7/21, Tue.

職業官吏再建法公布後まもない一九三三年四月二五日には、「ドイツ学校・大学過剰解消法」が制定される。そこでは、ユダヤ系の生徒や学生の入学を生徒・学生入学者総数の1.5%に制限し、学籍のあるユダヤ人子弟の全体数についてもドイツの生徒・学生総数の5…

2020/7/18, Sat.

ヒトラーは、バルト海沿岸のエストニア出身で、のちにナチ党の代表的なイデオローグになったアルフレート・ローゼンベルク(一八九三~一九四六)によって、『シオンの賢者の秘密』の存在を知った。ロシアとの協働も考えなかったわけではないヒトラーも、以…

2020/7/15, Wed.

だが、開戦から二年後、一九一六年半ばから戦局が悪化すると、国内の高揚したムードに翳りが見えはじめる。食料不足・耐乏生活・大量死といった予想外の状況に国民の不満は蓄積していく。反ユダヤ主義者たちはその不満を見逃さなかった。彼らはこの機をとら…

2020/7/12, Sun.

ホロコーストが、世界的に広く知られるようになったのは、一九七八年にテレビドラマ『ホロコースト――戦争と家族』が、アメリカNBCで放映されてからである。日本でも同年秋に、翌年にはドイツでも放映され大きな反響を呼んだ。しかし、日本でより広く一般に知…

2020/7/11, Sat.

なんらかの対象を取り巻く「神話」が、その実物に照らして真か偽かを知ることは、もはや最優先の問題ではない。二十世紀の神話学者の関心は、どのようにして彼の社会が、最たる「人為」としてのステレオタイプを生産し、次いでそれを最たる「自然」としての…

2020/7/10, Fri.

(……)これらの文彩をあるがままに見ると、ブルジョワ的宇宙の星占いの星座さながらに、二つの大きな区分に集約されるのがよくわかる。すなわち、〈本質〉と〈均衡〉である。ブルジョワ・イデオロギーはえんえんと、歴史の生産物を本質的タイプへ変換し続け…

2020/7/9, Thu.

3. 同一化 プチ・ブルジョアは〈他者〉を想像する能力のない人間である。もし他者が目の前に現れると、プチ・ブルジョワは目が見えなくなり、他者を無視して否定するか、さもなくば、他者を自分自身に変形してしまう。プチ・ブルジョワの宇宙では、対決の事…

2020/7/8, Wed.

世界が神話に提供するものは歴史的な現実であり、その現実はどんなに遠い過去にまで遡らねばならないとしても、人間たちがそれを生産したり使用したりしてきたやりかたによって定義されている。そして、神話が再構成するのは、この現実の自然な[﹅3]イメージ…

2020/7/7, Tue.

おそらく、ブルジョワ的イデオロギーに対する反乱は存在するに違いない。それは一般に前衛[アヴァンギャルド]と呼ばれている。だが、そうした反乱は社会的に限界がある。依然として体制に回収されてしまうのだ。その理由はまず、その反乱がブルジョワの断片…

2020/7/6, Mon.

ここにもうひとつ、神話に対してできるかぎり抵抗する別の言語活動がある。われわれの詩の言語活動である。現代詩というのは、逆行性の記号体系[﹅8]である。神話が目指しているのは超 - 意味作用[シニフィカシオン]、すなわち、一次的体系の拡大であるが、…

2020/7/5, Sun.

神話の固有性とは何か。意味を形式に変えることである。言い換えれば、つねに神話とは言語活動[ランガージュ]を盗むことである。わたしは、敬礼するニグロ、白と茶の山小屋、果物の季節による値下がりを盗む。模範やシンボルをつくりだすためではなく、それ…

2020/7/4, Sat.

ここでわれわれは、神話の原理そのものに到達したわけである。それは、歴史を自然へと変形する。いまや、神話の消費者の目には[﹅10]概念の意図や対人志向が明白なままでありながら、利害関係のあるものにはなぜ見えないかが理解される。神話の言葉を発させ…

2020/7/3, Fri.

なぜなら、この呼びかけの言葉は、同時に凝結した言葉でもあるからだ。わたしに到達するやいなや、その言葉は停止して、それ自体の上でくるりと回転し、一般性を取り戻す[﹅4]。それは凍りつき、漂白され、罪のないものになる。概念の適合は、字面どおりの意…

2020/7/2, Thu.

神話の概念を意味に結びつける関係は、本質的に変形[﹅2]の関係である。ここでもまた、精神分析の記号体系のような、複雑な記号体系との或る種の形式的な類似が見出される。フロイトにとっては、行為の潜在的意味がその顕在的な意味を変形しているのと同様に…

2020/7/1, Wed.

神話のシニフィアンは、曖昧なかたちで示される。それは意味であると同時に形式であり、充満していると同時に空虚なのだ。意味としてのシニフィアンは、読み取られることをすでに前提にしている。わたしはシニフィアンを目で捉える。それは感覚的な現実性を…