2014/6/8, Sun.

 雨は降りつづけていた。もう四日目だった。そのあいだやんだところを見なかったから、きっとずっと降っていて、一瞬も止まらなかった。七時半で、足が寒かった。リビングにあがると父がソファで眠っていた。たぶん酒を飲んでそのまま寝ていた。ハムがなくて焼き豚があったけれど切るのが面倒だったから卵だけ焼いた。米にのせてみそ汁はインスタントで、いつもどおりの食事をしていると母も起きてきた。突然父の携帯が鳴って、ぱっと目をひらいて、寝起きなのにしっかりした声で電話に出た。父はごく自然に私、と言っていた。私なんて一人称はいつまでたっても使う気はしない。雨だけど近くの花壇の植え替えをするらしかった。それでジャージの上に合羽を着て出ていった。こっちは古井由吉『半自叙伝』を読んでいた。
 部屋で『半自叙伝』を読み終わって、プルーストを読みはじめたけれど、十ページ読んで眠くなったから布団にもぐったら寝ていた。夢のなかで"Blowin' In The Wind"をうたっていた。結局十二時前まで眠ってしまって、はやく起きても時間をいかせなかった。ベッドから出て昨日の日記を書いた。昨日のうちにほとんど書いてあったからすぐに書けた。それからBob Dylanの一九七五年のライブ盤を流してうたったりだらだらした。昼食はおじやだった。古い米がたくさんあったらしい。食べたあと、二時半くらいから七時まで、たまに眠りながら、蓮實重彦『魂の唯物論的な擁護のために』をずっと読んでいた。今日何をやったかと言うと、これを読んだだけの日だった。一歩も外に出ていない。空も見ていない。雨は一時やんだみたいだったけれど、またすぐに降りだして、七時くらいには強くなっていて窓を閉めた。読んでいる最中にウグイスの声が聞こえて、六月でも鳴いていた。いつまで鳴くのか知らない。五時くらいまで左腕が痛くて、なんとなくからだがだるくて、風邪をひいているみたいだったけれど、寝たら治った。夕食は餃子を入れた鍋で、三杯食べた。九時くらいに蓮實の本を読み終わった。そのあとは風呂に入ってギターを弾きながらだらだらした。