2014/6/29, Sun.

 亡霊にのしかかられているみたいな重さでずっとベッドにしばりつけられていた。気づいたら正午だった。ようやく抜けだして上にあがったら、母に遅いよといわれた。鍋の残りがあったから食べた。米はたしか食べなかった。下におりて日記を書きはじめたけれど、なにも下書きしていなかったから思いだすのに苦戦して時間がかかった。一向に進まないから、インターネットをうろつきながらだらだらと書いてしまった。BGMはTheo Bleckmann & Kneebody『Twelve Songs by Charles Ives』からThe Band『Rock of Ages』と移った。書き終わったのはたしか二時半くらいだった。それからプルーストを読んで、ミシェル・レリス『幻のアフリカ』も読んだ。雨が降っていた。ひどく強くなって窓の外がぼやける時間もあった。もう少ししたらご飯をつくってと母がいいにきたときは三時半だった。J・J・アルマス・マルセロ『連邦区マドリード』を久しぶりにひらいて少し読み進めてから上にあがった。このとき、からだがすごくだるかった。何もしていないのに息が切れるようだった。だからソファにからだを投げだしてしばらく目をつぶって深呼吸してからアイロンにとりかかった。空色のシャツやワイシャツのしわを伸ばした。それから台所のざるに入れてあった米をといでセットしてさっさとスイッチを押した。豚汁をつくることにした。大根がなかったから玉ねぎを三つ、じゃがいもも三つ、それから人参を半分くらい取りだして切った。油を引いた鍋のなかに生姜をたくさんすりおろしてしばらく炒めてから肉を入れて野菜も入れた。鍋底がすぐ焦げてしまうから水を少し入れて炒めた。炒め終わって煮こみはじめると、部屋から『連邦区マドリード』を持ってきて台所で立ったまま読んで待った。すぐに灰汁がわいたからすくって取り除いて、またしばらく煮こむといくらも経たないうちにじゃがいもが柔らかくなったから、さっさと味噌を入れた。まだ五時半にもなっていなかったけれど、お腹が空いたからもう食事にすることにした。納豆と豆腐を用意して豚汁をよそっているあいだに米がたけた。たけたばかりのふわふわに熱い米に納豆をのせて食べるといちばんおいしかった。食べているうちに兄が送ってきた生ハムが今日までだというから、キュウリといっしょに食べた。おいしいけれど、塩味がほんの少しくどかった。母がナスを焼いたのでそれも食べた。食後ソファで休んでいると、父が帰ってきた。よくわからないせんべいとか、おみやげをいくつか買ってきた。部屋にもどって読書をつづけた。The Bandが終わると、The Beach Boys『Pet Sounds』にした。"God Only Knows"と"Caroline, No"はCharles Lloydが取りあげていたから知っていた。読んでいるあいだに三回リピートした。風呂から出たあとは、『The SMiLE Sessions』を流して、『連邦区マドリード』と『幻のアフリカ』から書きぬきした。アルバムが終わらないうちにJohn Coltrane『My Favorite Things』に変えて、書きぬきを終えると最後の"But Not For Me"が流れていたから、そのままイスに座ってじっと聞いた。その時点で十時前だった。はやめに歯をみがいて、十時半まで休むことを自分に許そうと思ってだらだらしはじめたら、だらだらに取りこまれて結局十一時半までだらだらしたところでパソコンの電源を落とした。十二時半まで『連邦区マドリード』を読み進めてから眠った。