昨日からあいかわらずだらだらした。だらだらしつつもかろうじてプルーストとミシェル・レリス『幻のアフリカ』は読んだ。『オランピアの頸のリボン』も出勤前にすこしだけ読んだ。風呂に入っているときや出勤時に小説のことを考えていた。少なくとも一作書かないうちはやめるわけにはいかない。駅まで歩いていくと西の空でぎざぎざになった雲のふちが太陽に照らされて空に稲妻が焼きついたようになっていた。陽が出るとふたつ並んだレールの上に光線が白くやどって、うしろを向けばその直線上にこちらの影が長く伸びていた。四時間くらい働いた。歩いて帰った。行く先の西空は塗りつぶしたように黒々として、山の稜線も溶けてかすんでいた。墨色の雲がかすかな光を帯びて、筆で伸ばしたように細くたなびいていた。月は見えなかった。