2014/7/9, Wed.

 だらだらしていたらいつの間にか四時になっていた。そんな時間まで起きたのは久しぶりだった。やっとベッドに入ると、カーテンの向こうがうす青くなっていた。草木も眠る丑三つ時から二時間も過ぎて、草木も鳥も起きはじめていた。時間が経つのがはやすぎて変な感じがした。時間が縮んだような感覚は味わうたびに不思議だった。
 起きるのは正午をまわっていた。当然からだは重かった。ハムとキャベツの炒めものを食べた。中澤俊輔『治安維持法』を読んだ。雨降りの日だった。部屋でだらだらして、二時過ぎから日記を書いた。五分もかからず終わった。原稿用紙一枚も書かなかった。
 I.Yさんからもらったお茶はおいしくて大量に飲んでしまう。大量に飲んでもあまりまずくならないところがすごい。つぎに上にあがったとき、テーブルの上の新聞を見たら六本木の美術館でオルセー美術館展がやっていると言った。十月二十日までやっていた。マネとかモネとか来ているらしい。
 部屋におりてまただらだらして、そのあとプルースト、ミシェル・レリス『幻のアフリカ』と読んだ。ライブラリのすべてからシャッフルにしてランダムに再生したらEL&Pの『展覧会の絵』が流れたから、そのアルバムをBGMにした。読書したあとは力つきて眠った。夜ふかしのせいでつかれていたし、頭のまわりがしびれに包まれているみたいだった。さめると七時ごろだった。外はまだ暮れきらないで、午前四時と同じうす青さだった。時間のなかで迷って宙に浮いたような非現実感があった。いつの間にかここに来ているのがまた不思議だった。
 あがってアイロンを片づけた。餃子を焼きながら米や味噌汁や野菜をよそって、焼きあがったところで食事にした。テレビにはオランダが映っていた。だだっ広い草地のなかに風車が建っていて、ハーグ派展で見た絵の風景だった。食べ終わってすぐに風呂に入った。出ると九時前で、まただらだらしてからミシェル・レリス『オランピアの頸のリボン』を読んだ。日付が変わる前に読み終わった。The Band『The Last Waltz』を流していたけれど、十時半ごろにとめた。十二時をまたぎながら久しぶりに日記を下書きしたけれど、あまり書けなかった。そこそこの眠気とあくびがあったから電気を消した。消したけれど暑いし眠れなくて、三十分くらいしてからまたつけた。横になったまま『治安維持法』を読みすすめてからまた消したら今度は眠った。