景色のなかに雪の白さはもはやなく、道沿いの林は臙脂やら淡い橙やらが混ざって、渋いような香りの、しかし優美な配色を取り戻している。高枝鋏をそのあたりに置いておき、畑のほうに下りていく足もとの、小さな葉の上には、露が乗って、陽射しというほどのものもないが、過ぎる瞳に瞬間のきらめきを送って隠れようもない。
景色のなかに雪の白さはもはやなく、道沿いの林は臙脂やら淡い橙やらが混ざって、渋いような香りの、しかし優美な配色を取り戻している。高枝鋏をそのあたりに置いておき、畑のほうに下りていく足もとの、小さな葉の上には、露が乗って、陽射しというほどのものもないが、過ぎる瞳に瞬間のきらめきを送って隠れようもない。