2017/2/26, Sun.

 図書館に行って、『失われた時を求めて』の最終巻を借りて来ることにした。一時四〇分頃に出発した。正面から風が渡って来て、顔を包みこむ感触が、前日と比べてやや冷たかった。空には雲が多く、陽が射す時間もないではなかったが、長くはない。とは言え、鞄を持った右手がそう冷えるわけでもない。日曜日なので裏通りには、散歩やらウォーキングやらをする人が多く見られた。道を進んでいるとすぐ傍の木の葉鳴りが脇に沿って来て、鵯か何かの鳥が二匹、雲の明るめの白を背景に空中を横切ってその木に渡るのも見えた。本を借りてのちの帰路は街道に出たが、風は収まって、雲はより多くなり、西空に広く掛かったものは青くなって、水で良く溶かした墨の感触がなかにあった。