2019/7/22, Mon.

 あくびした人から順に西方の浄土のような睡蓮になる
 (九螺ささら『ゆめのほとり鳥』書肆侃侃房、二〇一八年、8)

 鳥避けのCD揺れる銀河色 四億年前の記憶のごとく
 (9)

 エレベーター昇りきるとき重力はとうめいになる シリウスが近い
 (14)

 手袋を植えた場所からさよならが生えてきてそよそよ戦いでいる
 (20)

 耳鼻科には絶滅種たちの鳴き声が標本のごと残響してる
 (21)

 日曜の歩行者天国から空へレジ袋天使が旅立ってゆく
 (24)

 「牛乳を鍋で沸かしたとき出来る膜をあつめるしごとしてます」
 (26)

 逃げ水を追いかけていて途中から鏡に迷い込み一億年
 (29)

 わたしと名付けしこの熱は今朝もキツネ色のトーストを欲しがり
 (30)

 目玉焼きが真円になる春分は万物が平等になる一日[ひとひ]
 (36)


 寝坊! 寝坊! 一時一五分頃まで徹底的な寝坊。堕落である。起きて、上階へ。両親は仕事。煮込みうどんがあると書き置きには記されていた。ほか、前夜の残りの鶏肉。冷蔵庫から鶏肉を出して電子レンジに入れ、うどんの入った鍋は火に掛ける。加熱を待つあいだ、卓に行き、参院選の結果が記されている新聞を少々眺めた。そうして料理が温まると卓に持ってきて食事。新聞を読みつつ。与党の勝利はまあ事前の情報通りである。東京選挙区ではこちらが投票した山岸一生候補は惜敗――二万票、届かなかったので惜敗と言っても良いだろう。父親が投票した塩村文夏候補は四位で当選。彼女よりも山岸候補の方が苦戦するのではないかと思ったこちらの判断は間違ってはいなかったわけだ。やはり元都議としての知名度が勝ったのだろう。「セクハラやじ」を受けて注目された時期もあったようだし。
 新聞を読みながらものを食い、食器を洗ったあと、抗鬱剤を服用して風呂場に行った。昨日洗うのを忘れてしまったので、今日は念入りに浴槽を洗っておき、出てくると下階に戻った。コンピューターを起動。Nさんから頂いた「ひよ子ピィナンシェ」を食べながらEvernoteなど準備する。Twitterを眺めると、Aさんが二〇歳の誕生日を迎えていたので、あとでメッセージを送ろうと思った。最近彼女はSkypeの方にも現れないので全然話していないので――と言うか、そもそもSkypeの通話自体が行われていないのだが――いずれ近況を伺おうと思っていたのだ。前日の記事の記録をつけようと思ったのだが、各種店舗で貰ったレシートや、国立新美術館のチケットなどが見当たらなかった。ズボンのポケットに入れたままだっただろうかと上階に行って洗われて吊るされているズボンのポケットを探ってみたが、入っていたような痕跡はない。どうしたのだろう? わからない。昨夜、自室の燃えるゴミを上階のものと合流させたから、その際にでも捨ててしまったのだろうか。それで仕方がないので、記憶に頼って大まかに支出を記録した。そうして前日の記録を完成させると、この日の記事を作成し、FISHMANS『Oh! Mountain』を流しはじめながら日記を綴る。ここまで書いて二時一八分。前日の日記はまだほとんど書けていない。やばい。どうせまた一万五〇〇〇字とかそのくらいにはなるに決まっているのだ。面倒臭い。
 それから五時一五分まで日記を書き続けた。日比谷松本楼に着いたあたりまでで一万五〇〇〇字くらい書いたのだが、まだまだ終わっていなかった。一旦休むことにした。それでベッドに移って横たわりながら、ジャン・ジュネ生田耕作『葬儀』を読む。四〇分ほど読んでから目を閉じて休んでいると、外で車の音がして、母親が帰ってきたかと思って、飯の支度をしなければと起き上がったのだったが、結局この車の音は母親のそれではなかった。六時一五分頃だった。上階に行き、カレーを作り出す。材料は茄子、玉ねぎ、ジャガイモ、人参、それに冷凍されていた豚肉の欠片である。それぞれ切って、フライパンで炒める。肉の色が変わると水を注いで、煮込みはじめた。月桂樹の葉を三枚ほど入れておく。それで煮込んでいるあいだに外に出て新聞と郵便を取り、戻ってきて灰汁を取ったあとは、自室から手帳を持ってきて、食卓灯の暖色の明かりのなかで読む。六時五〇分から一〇分ほど煮込んで台所に戻ると、もうかなり水が少なくなっていたので小さな薬缶から水を注いで足し、牛乳ももう入れてしまって、ルーを投入した。そうしていると母親が帰ってきた。職場で胡瓜を大量に貰ったと言う。母親はその胡瓜を切りはじめ、こちらはカレーを完成させ、早速食べることにした。白米はたくさん炊飯器に残っていた。カレーはやけに粘度の高いものになった。もう少し水を入れてよかったかもしれない。卓に就いて食事。テレビは『YOUは何しにニッポンへ?』。見ながら食べ、薬を飲んで食器を片付けると、下階へ下りた。自室。ふたたび日記! 七時四〇分から書き出す。音楽はBlue Note All-Stars『Our Point Of View』。一時間書いたところで入浴しようと上階に上がったのだが、上がっていくと母親が、もう父親が帰ってきたと言うので、風呂は譲ることにして自室に戻った。それで九時を過ぎて前日の日記をようやく完成。二万五〇〇〇字を数える。投稿。その後入浴へ。
 戻ってくるとちょっとだらだらしてから、一〇時半前から読書に入ったのだけれど、いくらも読まないうちに意識喪失。気づくと二時半頃だったと思う。そのまま就床。


・作文
 14:06 - 17:15 = 3時間9分
 19:42 - 21:03 = 1時間21分
 計: 4時間30分

・読書
 17:16 - 17:57 = 41分
 22:24 - ? = ?
 計: 41分+?

・睡眠
 4:00 - 13:15 = 9時間15分

・音楽