2021/2/8, Mon.

 「アマチュア」(名人芸をめざしたり、競争に勝ちたいと思ったりせずに、絵画や音楽やスポーツや学問を実践している人)。「アマチュア」は、自分の悦楽を続けてゆく(〈アマトール〉とは、愛し、ずっと愛しつづける人のことだ)。アマチュアはけっして(創作や記録の)英雄ではない。〈優雅に〉(むだに)記号表現のなかに身をおいている。すなわち、音楽や絵画を直接に決定する物質のなかに身をおいているのだ。その実践は、概して、いかなる〈ルバート〉(属性のために対象を盗むこと)も、ともなわない。アマチュアは、反ブルジョワの芸術家である――おそらくそうなるであろう。
 (石川美子訳『ロラン・バルトによるロラン・バルト』(みすず書房、二〇一八年)、64; 「アマチュア(L'amateur)」)



  • 一一時四〇分に起床。部屋に持ってきてあったジャージに着替えてから上階へ。洗面所で洗顔とともにうがい。陽射しはそれほどあらわではないが、あかるみの射しこんでいるベランダの前で屈伸をしていると、母親がもう洗濯物を入れると言うので取りこむついでにちょっとベランダに出て体操をした。風がわりと冷たい日で、空も雲混じりでおりおり陽がかげり、白っぽい空気に寄りがちである。食事は天麩羅に蕎麦やうどん。新聞からミャンマーの記事を読む。七日にはヤンゴンを中心に反軍のデモが各地でおこなわれ、数万人規模にいたったらしい。
  • 食後は皿と風呂を洗って帰室。今日は最初に音読をした。「記憶」を三〇分。ナチス時代の収容所についてなど。そのあとはコンピューターを持ってベッドに寝転がり、ひたすらだらだらとする。なぜかわからないが最近はどうもあまりやる気が出ないような感じがある。やたら臥位になって休みたい感じ。それはそれで読書の時間にもできるので良いが。このときはしかし本を読まず。ずっとウェブを閲覧しながら脚をほぐしていた。三時過ぎまで。それからこの日のことを手短にここまで記述。
  • この日のことはもう忘れた。勤務についても省略しよう。往路はかなり寒く冷え冷えとしていたらしく、しかし空気はだいぶあかるくて、曇り気味ではあるものの黄昏れておらず、ひとの顔も容易に見えるだろうとのメモが残っている。しかし実際には、家から最寄り駅まで向かう道のあいだに誰かとすれ違うことはなかったはずだ。
  • 一時二〇分、Gary Clark Jr.『Gary Clark Jr. Live』をBGMにして書抜きをはじめた。このアルバムの冒頭は、Muddy Watersの"Catfish Blues"。かなり良い。ヘヴィブルース。正直、クソ格好良いと思う。こういうのを自分でも本当はやりたい。この音源はバンドで、ギターもエレキだけれど。やっぱりこういうあたりが自分の趣味の中核なのかなという気がする。