2021/12/20, Mon.

 ヤコブの梯子 [※]

 地に縛られていたら
 誰だって天に行くことを
 望むでしょう? レディ、
 憧れのあまり、あなたの庭に顔を出した
 わたしの無作法をお許し下さい。わたしは
 あなたの求めていた花ではありません。けれど
 男と女が
 惹かれ合うように、わたしも
 天国の知識に惹かれるのです――そして今
 あなたの悲しみを誘う裸の茎が
 ポーチの窓に届いたところです。
 その先端にあるのは何? 星のように
 小さな青い花。でも、決して
 地上の世界を逃れることはできない! だからこそ
 あなたは涙を流すのでしょう?

 ※和名はハナシノブ。「ヤコブの梯子」とは、旧約聖書の創世記28章10-12節で、ヤコブの夢に出てくる天と地をつなぐ梯子のこと。葉は羽状で、左右の小葉が交互に並ぶ様子が梯子に似ていることからこの名がある。高く伸び上がった花茎の先に淡い青紫の花を咲かせる。



 THE JACOB’S LADDER

 Trapped in the earth,
 wouldn’t you too want to go
 to heaven? I live
 in a lady’s garden. Forgive me, lady;
 longing has taken my grace. I am
 not what you wanted. But
 as men and women seem
 to desire each other, I too desire
 knowledge of paradise――and now
 your grief, a naked stem
 reaching the porch window.
 And at the end, what? A small blue flower
 like a star. Never
 to leave the world! Is this
 not what your tears mean?

 (ルイーズ・グリュック/野中美峰訳『野生のアイリス』(KADOKAWA、二〇二一年)、46~47)



  • 七時台かそれよりもまえにさいしょに覚めて、その後七時五〇分ごろ再度の覚醒。二度寝にははいらないものの、さむくてなかなか起きる気にならず、布団のしたで深呼吸をしながらぐずぐずとすごして九時一〇分に離床した。呼吸をたくさんやったのでからだのかんじはよい。一〇時から通話なので瞑想はせずに上階へ。父親が山梨に出かけるところ。ジャージにきがえながら窓のそとをながめると、快晴の陽に瓦屋根がひかって、おうとつにあわせてひかりの小塊群がたまってならんでいるのが、散った火花をひとつずつつかまえて整然とそろえて固定したように見える。屋根の天頂の横線や、その端からななめにくだって面をくぎる仕切り線のうえにも突出にあわせて等間隔で白さが点じ、ライトが設置されているかのよう。
  • 顔をあらったりうがいをしたり。そののち、きのうのジャガイモのソテーをあたためて食事。ほか、白米と、ナメコの味噌汁ののこり。新聞を見た。一面の記事を読む。大阪は曽根崎の心療内科での放火殺人は、六一歳の容疑者が実名と顔写真を公表されていた。防犯カメラにこの男が受付付近で持ってきた紙袋を蹴り倒し、ながれでた液体にライターで火をつけたらしくしゃがみこんだあとに火の手があがるさまがうつっていたと。通院歴のある患者だったらしい。男は火があがったあとみずからそのなかに飛びこんでいったので、ほかの客をまきぞえにして自殺をしようとしたのではないかということ。二七人中二四人が死亡したのにたいし、下手人の男は重篤だけれど生き残っている。ほかふたり女性も生存したがやはり重篤。この容疑者は二〇一一年に心中をこころみたらしく長男を殺害しようとして逮捕起訴されていたという。ほか、香港で、中国政府による例の「愛国者」資格に沿ったはじめての立法会選挙(定数九〇)がおこなわれたが、民主派不在のなか投票率は過去最低で、いままではひくくても四三パーセントくらいあったらしいのだけれど、今回は二七パーセントだったかそのくらいになっていると。左下には岸田政権を分析する連載記事があって、慎重居士とかいわれていたらしい岸田文雄が首相になっていらい、人事などでじぶんの意思を押し通す場面が増えたとあった。茂木敏充から林芳正に外相をかえたことにかんしては、岸田の後見役である安倍晋三麻生太郎がそろって反対をしめしていたらしいが、岸田は麻生の岳父である鈴木善幸の政権期のことをもちだして、一年やって駄目だったらすぱっとかえますから、とねばりづよく説得したと。麻生はそれにたいして、物事を決められなかった男が決断できるようになった、とか、感慨深げに周囲にもらしたという。
  • 午前から正午までは通話。めんどうくさいので記述は省略する。というかみじかめにする。(……)
  • 勤務のこともめんどうなのでもう省略してしまう。ひとまず記事をかたづけ、現在時(一二月二四日)に追いつけることを優先しよう。