顧客募集(2024/7/13, Sat.記)

 (……)さんのブログを見たら、金稼ぎのままならないこちらのためにひと肌脱ごうというわけで、このブログにリンクするとともに、オンラインでマンツーマンの読書会をやっている断食芸人なみにガリガリの三十路の男がいるので、文学作品の精読に興味のあるひと等はコンタクトを取ってみてください、とあった。それならばこちらも、ひとまず連絡先を記しておかねばなるまい。

 ご興味のある向き、もしくはこちらの生をなんらかのかたちで支援していただけるという方は、20161110fs(アットマーク)gmail.comまでメールをいただけると幸いです。あるいは、note(https://note.com/diary20210704)のほうからメッセージをくださってもOKです。


 いまオンラインでともに本を読んでいる相手はふたりなのですが、そのうちひとりとはヴァージニア・ウルフ/御輿哲也訳『灯台へ』(岩波文庫)を、もうひとりとはロラン・バルト/宗左近訳『表徴の帝国』(ちくま学芸文庫)を読んでいます。
 どちらもペースは非常にゆっくりとしたもので、前者はだいたい一回に2〜4ページ、後者もせいぜい、行って2〜3段落程度です。前者はおおよそ三〇分ほど、後者は一時間を規定としています。事前準備は不要で、その場でただ、読んでいきます。予習はしたければしてくる、ということになっています。
 どちらも交互に一段落ずつ音読をしながら、気になった点、気づいたこと、わからない箇所、疑問、感想等を互いに述べ合うかたちで読み進めています。小説作品を読んでいる前者では、相手の方とこちらとで、それぞれ分析や印象などを言い合うことが多く、あまりこちらが何かを教えているという感覚はありません。後者では、相手がこういった、哲学・思想に類する小難しい本を読み慣れていないので、わからない部分をこちらができる範囲で説明しながら一緒に読んでいく、という趣向になっています。それで、相手からはこの時間のことを「講義」と呼ばれています(こちらはそうは思っていません)。

 思想の部類にかんしては、正直、こちら自身、多くを読んできたわけでなく、生半可以下の知見すら持ち合わせておりません。それに比べれば文学作品についてはまだしも、何かしら有益な見方や考え方、読み方や書き方の分析、などを提供できるのではないかと思います。

 言うまでもないことですが、じぶんはなんらかの専門的な研究をしているものではありませんし、大学は学部を卒業したきりで院に進んですらいません(しかも大学時代は文学を学んでいたわけではなく、西洋史コースに属していました)。作家でもありません。ただ読み書きをしてきただけ、これからもしていくだけの人間です。権威や資格や保証という意味では、こういったサービスをとりおこなってお金をいただく根拠は、何ひとつ、持ち合わせておりません。
 したがって、こういうことをやります、というかたちで、サービスを一律にパッケージ化して提示するつもりはありません。顧客になってくださる方がいるならば、当人とお話ししながら相手の興味や要望をお聞きし、その上でじぶんにできることを探り、合意が得られるようなやり方を決めていきたいと思っております。同様に、報酬にかんしても、画一設定をする気はなく、個々の方との話し合いで決定し、それぞれ違っていて問題がないと考えております。

 大雑把なところ、何かの読み書きに取り組んでいたり、それをこころざすひとのサポートをしてお金をいただければ、というのがこちらの性分に合致したところです。それが人文学系のことがらだったり、文学や小説であったりすれば、なおさら相性が良いでしょう。

 以上のような心向きですので、いまやっている、遅々とした精読にサービス内容を限るつもりもないのですが、ただ現状、体調の面で、読んだり書いたりをそう多くはできない身なものですから、負担の少ない上記のようなやり方で報酬をいただければ、たいへんありがたいところです。

 いずれにせよ、実際に顧客になるならないは別として、ご興味のうずく方がおありでしたら、構えずに連絡をいただければ幸いです。