男に去られるのだとBessie Smithの”After You’ve Gone”もけっこうよくて好きだ。あれは直接的にいろいろ言ってる曲だけれどそれはそれでいい。ちょっと恨み節めいているのにBessie Smithの歌があんまり朗々と堂々としてるので恨みっぽい陰鬱さが希薄でいい。大衆歌の歌詞なんてことば単体で受け止めるというもんでもなく、七割くらいは音楽のほうに影響されてそっちに同化してるようなもんだとおもうので、あれがいいというのはけっきょくは楽曲とSmithの歌がいいということになる。恨みっぽいやつだと中島みゆきのあれなんていったか”空と君とのあいだには”が入ってるアルバムの六曲目くらいにカミソリ送られる歌があってあれは恨むほうではなく恨まれるほうだったかもしれないがそれも歌も曲も詞もやたらドロドロしててブルージーでよかった。