昼前に外出。HC通りに風が強い。アホかと思うくらいに走る走る。モッズコートの首元にあるボタンふたつを両方しめる。からだがふるえるほどではない。交差部に来れば横の道から日なたがまっすぐ伸びている。
 病院ほかの裏手の筋をもと来たほうに歩いて戻る。妙な空模様。南と東は雲があっても隙間の青さがけっこう広いが、北から西は低い場所までずっとよどんでぐずっと白い。東の雲も大きく差して、散らばるやつらもそこそこ厚い。それでいて日なたは保たれている。風は変わらず吹きつける。病院裏の駐車場の木はイチョウだった。先月くらいに、三層に分かれてうんぬんかんぬんと書いたやつ。こずえの葉っぱが残り少なく、もう層はない。おなじくイチョウがほかに三本、道に面して並んでいる。根もとの周りを黄色い葉っぱが覆い尽くしてかさなりあって、風が走ると末期をむかえて息の消えそうなちょうちょみたいに縁がぴくぴく動くのがある。道路のほうに散っているものはつむじの軌跡で飛んでいったり、まっすぐ押されてこちらの歩みを追い抜き過ぎていったりする。
 夜は好天。星がさやかで、雲の白さをはっきり映して青々と濃い宵空だった。