「三人の子ども」のつぎの部分に、「あたりは岩めいてきて」みたいな言い方をつかおうとおもっていたのだけれど、この「〜〜めく」はこちらの独自言語じゃないかという疑いもあった。つまり、この「岩めく」は、こちらのなかでは、岩が多くなってくる、みたいなニュアンスなのだ。ちょっとだけ検索してみた感じだと、一般的にはたぶんこういう使われ方はしない。辞書的な定義からも逸脱しており、そこからけっこう拡張された意味合いだとおもう。じぶんが「〜〜めく」にこういうニュアンスまで含めるようになったのは、たぶん天気を書くときに、雲が多い空について「雲めく」という言い方をしたところからじゃないかという気がする。曇りっぽい、みたいな感覚で使っていたはず。「〜〜っぽくなる」というのは、通常の「〜〜めく」の意味の範疇に収まっていると言っていい。「春めく」はまさしく、春っぽくなってくる、ということだ。この「〜〜っぽくなる」が、じぶんのなかでは、「〜〜が多くなる」に拡張されたらしい。だから「あたりが岩めく」も、あたりが岩っぽくなってくる→岩が多くなってくる、というイメージだったのだ。こういう用法をしている例がないわけではないんじゃないかという気はするし、なんかの本で例を見たのでは? という気もするのだけれど、あんまり一般的ではなさそうなので、「三人の子ども」に使うかどうかわからない。