2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

2016/10/31, Mon.

二度寝の危険は去ったものの、起きあがる力を身に引き寄せるまでにはまだちょっと掛かって、そのあいだに窓外に目をやっていると、川の流れを遡るように、白雲に包まれながら太陽が滑って行くのだが、うっすらとした円形のその姿は夕刻の西空に雄々しく膨ら…

2016/10/28, Fri.

少し前から室内がよほど暗く沈んでいたので、明かりを灯していた。五時が近づくと、窓ガラスに部屋の様子が反射して、ベッドから見上げると中央に白く光る蛍光灯が映りこみ、アサガオの蔓の途中に割りこんで、その一部を途切れさせてしまうのだった。

2016/10/27, Thu.

洗濯物を取りにベランダに出ると、大層良い天気で光が空間に満ち満ちており、大きめのバスタオルを持って室内に入れば、外から射す陽射しがその表面に白く溜まって、目が眩しいくらいだった。 * 黄昏れの広がる道を曲がりざまに西空に目を向けると、緑をは…

2016/10/26, Wed.

アイマスクを顔から取って、カーテンをひらいてみると、ガラスのなかは隅まで一点の乱れもなく、なだらかな青さが染み渡っており、その上に乗った古茶色のアサガオの残骸と緑色のネットを浸さんばかりだった。太陽はまだ窓枠に近いほうで幕の裏に隠れている…

2016/10/25, Tue.

傘を差して出発である。坂の木々の合間からは空に均一に薄青さが残っているのが見えるが、ちょっと離れただけで木の姿は霧がかった空気に乱されている。街道に出ると向かいから、二つの目を皓々と灯し膨らませた車が次々と流れてくる。距離が置かれていると…

2016/10/24, Mon.

窓に掛かったカーテンは、真ん中あたりを細く中途半端にひらいている。読みはじめの頃には、本のページ上に陽の色が広がっていたのが、そのうちに上端に引いていったのは、光の源が西へとじわじわ移っているのだ。その頃には太陽はカーテンの際まで来て、あ…

2016/10/23, Sun.

気温は低めでソフトジャケットを羽織ったが、坂を上って街道を歩いているうちに、服の内の温もりが涼気に勝りはじめた。葉書をポストに投函してから裏に入り、ボールのように膨らんだ鞄を提げながら、進んで行く。前日も見た民家の塀の内の小さなサルスベリ…

2016/10/20, Thu.

快晴の日で、カーテンをひらくと眩しい光が射しこんできて、二枚の布団に覆われていては暑く、窓をひらいた。そのまままどろんで、顔に熱線を受けて、瞼を薄くひらいてみると、空は光が満ち満ちているせいで青さが薄まり、まるで実際とは反対に薄雲が全体に…

2016/10/19, Wed.

肌寒さはなく、むしろ少々蒸すくらいで、着けたベストも不要だったかと思われたくらいだが、光はなく、街道に出て見上げると青灰色の雲が縁まで押し広がって空を浸しているばかり、中空に目を向けてみても、まだ四時前のわりにひどく澱んで暗い感じがした。 …

2016/10/18, Tue.

自転車を駆って出発した。だいぶ黄昏れてあたりは沼のなかのようだが、ベストを着けないワイシャツ姿でも寒さはなく、立って漕いでいると背中から温もりが湧くくらいである。この日も下校中の学生たちが横に広がっていそうな街道裏は取らず、町の南側、下の…

2016/10/17, Mon.

前夜は午前四時にもなってようやく床に入ったのだった。六時間で何とか覚めたいと、一〇時に仕掛けた目覚ましによって目論見通り覚醒することができた。二度寝に立ち戻ることも避けられたが、携帯電話を弄りながら一時間を床に貼り付くことになった――むしろ…

2016/10/16, Sun.

前日に引き続いて快晴の朝だったが、陽を浴びながらやはり八時間は眠ってしまい、確かに起きたのは一一時五分である。もうだいぶ西に移った太陽の光を目に取りこみ、身体の自由を取り戻して、布団を横に剝ぐと枕元の本を取った。マルセル・プルースト/鈴木…

2016/10/15, Sat.

久方ぶりの印象がある、晴れの朝だった。何度も目覚めるあいだに、窓ガラスの宙に丸く膨らむ太陽の光を瞳に浴びたのだが、身体は固まって動かず、その恩恵を活かすこともできずに、太陽もよほど逃げて窓の隅で枠の向こうにいまにも隠れようとしている頃合い…

2016/10/14, Fri.

確かこの日も三時間くらい寝た時点で、一度覚めたのではなかったか。そのあたりの記憶は曖昧だが、続いて六時間ほど寝た九時台のうちにもまた覚めた。三時も半分を回ってから床に就いたのに、寝覚めがいつもより早く、しかも重くないのは三〇分の瞑想のおか…

2016/10/13, Thu.

覚醒が確かなものとなったのは一〇時三五分、何度目かの目覚めである。初めのほうの睡眠の内で、夢を見た。まどろみのあいだに反芻したものの、その大方はいまとなっては知れないが、この朝の内にも印象的だった一つ、暴力的な一場面は記憶に留まっている。…

2016/10/12, Wed.

久しぶりに澄んだ青さの伸びる空にちらちらと輝く白球の光が寝床まで斜めに滑ってくる朝だった。八時台かそのくらいで一度は覚めたはずである。母親は前日に引き続き仕事があるという話で、これは記憶違いかもしれないが、出かけてくると言うのを寝床から低…

2016/10/11, Tue.

七時台か八時台か、早いうちに覚めた記憶がある。その時、窓ガラスに何かが触れるこつこつという音がしていたので、その音で覚めたのかもしれない。寝惚けた頭で何か虫がたかっているのだろうかと考え、気色の悪い姿態が脳裏には想像され、怖いもの見たさの…

2016/10/10, Mon.

一番最初に覚めたのは、八時半頃だったはずである。いつの間にかアイマスクが外れて顔のすぐ横に落ちており、目を壁のほうに向けると時計の時刻がはっきり見えた。例によって、睡眠時間はそれほど長くないにも関わらず、この一度目の覚醒が最も意識の晴れた…

2016/10/9, Sun.

九時台のうちに一度覚めていた覚えがある。しかし起きあがらずにまどろんでいると、母親が部屋にやってきて、クリーニング店にこちらの仕事着を出してきてくれるらしく、ネクタイはどれが使ったものなのか、などと訊いてきた。寝床で目を薄くしたまま、低く…

2016/10/8, Sat.

朝のことは覚えていない。起床は一一時二〇分だったようである。便所に立ったはずで、それから瞑想をした。一一時半から四二分まで枕の上に座り、上階に行った。食事に何を食べたのだったかは、既に忘れてしまった。(……)こちらは室に帰って、João Gilberto…

2016/10/7, Fri.

長々とまどろんでいるあいだに、母親が部屋に来た記憶もあるが、はっきりとしない。一〇時半になるとようやく意識が固まったようだが、例によって寝床でだらだらと時間を潰してから、上に行った。台所には、生ハムのかけらが混ざったチャーハンが作られてラ…

2016/10/6, Thu.

母親の操る掃除機の音が、部屋に近づいてくるので覚めたようである。けたたましい排気音が部屋に入ってくるのを寝床で迎えて、母親が何とか言うのを受けながらまだ身体は起こさなかった。意識がはっきりとしたのは、一〇時だったらしい――白く輝く眩しさが窓…

2016/10/5, Wed.

起床時のことはもはや何ら覚えていないが、一〇時だったらしい。例によってちょっと臥位を続けていたが、確かこの時に母親が室にやってきて、草取りを手伝ってくれないかと言った。だらだらと朝寝をしておいて不遜だが、まだ床を離れてすらいないのに、と少…

2016/10/4, Tue.

初めに覚めたのは、六時半である――アイマスクを洗って以来、自室に持ってくるのを忘れていたため、顔を覆うものはなく、目を開けるとぼやけた時計がすぐに見えた。目を凝らして時刻を認識し、四時間ではと、よほど軽い目覚めなのだが短い睡眠時間を恐れて、…

2016/10/3, Mon.

朝のことはもはや覚えていない――起床は一〇時五分と記録されている。八時かそこらから何度も覚めたが、粘りのある眠りに取りこまれて苦しみ、ようやくそれを振り払えたのがその頃だったのだ。布団を横に剝いでハーフパンツの身体を露出させると、膝の上に片…

2016/10/2, Sun.

久方ぶりの晴れの朝で、明るいなかで何度も覚めたようではあるが、一一時過ぎまで起床を掴むことができなかった。意識がやや晴れると、またもや怠惰に過ごしてしまうのを恐れて携帯には頼らず、カーテンをひらいて太陽の白い照射を受け、じきに瞼を安定させ…

2016/10/1, Sat.

起床は一〇時五五分だったらしい――まどろみのなかで、張りのあって明朗な鳥の鳴き交わしと、川向こうかどこかから渡ってくる、幼稚園で行われているらしき運動会の音声を聞いた。夢は、のちにメモした時に印象に残っていたものとしてはまず、どぎついような…