2022/7/15, Fri.

 一連の出来事の最後を飾ったチェコスロバキアの「ビロード革命」は驚嘆すべきものだった(その後、クリスマスにかけてルーマニアで生じた流血はまた別の出来事に属する)。弾圧に(end375)よって潰えた一九六八年の「プラハの春」の抵抗運動の渦中、プラハの中心ヴァーツラフ広場で焼身自殺した学生の二十年忌記念行事がこの魔法の年〔一九六九年 [原文ママ。一九八九年の誤りだろう] 〕の一月に行なわれた。このとき逮捕された参加者のなかに、劇作家ヴァーツラフ・ハヴェルがいた。一九八九年の十一月十七日には第二次世界大戦の占領期にナチに殺害されたチェコ学生の記念行進が、一九六九年一月をはるかに越える規模で行なわれた。プラハ大学から行進し、計画された行程を日暮れごろに終えたあとも、人びとはロウソクや花を手に、反体制のスローガンや歌を唄いながら街を練り歩いた。過去を記念する行事が、このときも現状の変革を訴えるものへ変わっていた。ヴァーツラフ広場では警官が群集を囲み、手当たり次第に警棒で殴打をはじめ、人びとは一斉に横道へ逃げた。その場から逃げ出せた者や手近な建物に難を逃れた者もあったが、多くの負傷者が出た。学生がひとり、抵抗に倒れた犠牲者に名を連ねた、という偽の情報が流れると、国中が怒りに包まれた。その後は自発的なデモ行進やストライキや集会がヴァーツラフ広場で行なわれた。広場といっても長さ一キロメートルにわたって市の中心部に伸びる大通りであり、そこへ何十万という人びとが集った。そのころラテルナ・マギカ劇場では釈放されたハヴェルが反体制派を集め、街路の呼び掛けを現実の変革へ結びつけようと試みていた(チェコの反体制派は「市民フォーラム」、スロバキアの姉妹組織は「暴力に反対する公衆」と呼ばれていた)。
 チェコスロバキアの人びとには次第に街頭の生活が生まれた。毎日のようにヴァーツラフ広場に集って隣接するナロードニ通りを歩き、ほかの参加者から情報を聞いたり、ポスターや看板を見たり制作したり、そこかしこに花とロウソクの祭壇をつくったりした。公衆が意味を決(end376)定する空間という意味において、通りを公共空間として取り戻していったのだ。あるジャーナリストは次のように報告している。

プラハは催眠術か魔法にでもかかったようだ。この街はずっとヨーロッパ有数の美しい街だったが、ここ二十年というもの、ゴシックやバロックの建物には重苦しい影が覆いかぶさっていた。それがいま消滅した。群集はみな落ち着いていて、自信にあふれ、秩序正しい。人びとは毎日仕事におわる四時に集まり、ヴァーツラフ広場を静かに、ゆっくりと、決然と埋めつくしてゆく。……壁やショーウィンドウには隙間もないほどにポスターが貼られ、街角には色彩があふれている。集会がおわると、人びとは国歌を歌う。

 その四日後、この国でもっとも著名なふたりの反体制活動家、ハヴェルと、一九六八年の英雄アレクサンデル・ドゥプチェクが広場を臨むバルコニーに立った。二十一年間におよぶ沈黙を強いられたドゥプチェクが公衆に姿を見せるのはこのときが初めてだった。「街の通りは物事を解決するための場所ではない、と政府はいっている。だが通りこそ、かつてそのための場所となり、いまもなおそうなのだ。街路に上がる声は必ず聞き届けられる」と、このとき彼はいった。
 ひとりの学生を記念することからはじまったこの革命が最高潮に達したのは聖人の祝祭だった。その少し前に、聖君ヴァーツラフ一世の曾孫であるボヘミアの聖アグネスが列聖されてお(end377)り、改革派を支持するプラハ枢機卿はドゥプチェクが姿を現わした数日後に雪のなかで野外ミサを行ない、数十万人を集めた。ハンガリーの人びとと同じように、チェコスロバキアの人びとは過去の英雄と殉難者を讃えることによって自由な未来を押し開いた。そして十二月十日には新体制が発足した。ビロード革命の間、現地に滞在していた若いアメリカ人地理学者マイケル・ククラルはこう書いている。「十一月二十七日を境に連日の大規模な街頭デモ行進はおわり、革命の様相はがらりと変わった。明くる朝に目を覚ましても大きな毒虫になっていたわけではなかったけれど、この十日間の湧き出すような勢いと高揚に満ちた経験はもう二度とないのだと思うと、ぼくは哀しみのようなものを感じた」。
 (レベッカ・ソルニット/東辻賢治郎訳『ウォークス 歩くことの精神史』(左右社、二〇一七年)、375~378; 第十三章「市民たちの街角――さわぎ、行進、革命」)





 一回か二回覚めたが見送り、一〇時ごろに覚醒をたしかに。暗い部屋で寝そべったまま深呼吸。保育園では幼児が泣き声をあげている。毎日かならず誰かしらは泣いており、泣き声で個体識別ができることもある。といってもわかるのはまだひとりだけで、マ~~マ~~と泣いているのだとおもうが声が濁点にまみれまくってざらつきすぎているために、バ~~バ~~とおばあさんを呼んでいるかに聞こえる子がそれだが、あの子の泣き方はおもしろい。息を吐きながら腹を揉んだりして、胎児のポーズも長めにやっておいた。起き上がると一〇時五八分。紺色のカーテンをあけるがきょうも曇り、というかむしろ雨天で、ひらいても外気やレースの白さが目に刺激的ではない。洗面所に行って顔を洗うとともに水を飲むが、ペットボトルの水が尽きたので真っ黒なステンレス製のマグカップにそそいだあと、冷蔵庫の脇に置いてある浄水ポットとボトルを流しに持っていって補充しておいた。浄水ポットをもちあげ、口部分のちいさな三角の蓋を片手であけてもったまま、こぼさないようボトルにそそいでいく。そうしてペットボトルを冷蔵庫のなか、あけてすぐ右のところにもどすと、浄水ポットにも水をそそいで聖別された水をあらたにこしらえておく。
 水を飲んでから寝床へ。なんの本をつぎに読もうかなあといつもおもうのだけれど、マルクス・ガブリエル/中島隆博全体主義の克服』(集英社新書、二〇二〇年)でも読んでみるかという気になった。というか、なんの本を読もうかなあとおもっても、現状収納スペースしたにあつめられている本たちはほぼ紙袋におさめたままで、そのうえにあらたに持ってきた本が積まれているような状態だし、奥のほうに置いてあるやつとかアクセスできないし手前側のやつらも袋から出さないと見分できないわけで、だから基本、そのへんの見えているもののなかから選ぶことにならざるをえない。このあいだおもったのだけれど、収納スペースはむしろ本を置く場所にして、いま本があつまっているそのしたの空間になんかボックスとか籠とかを導入して服とかタオルとかその他とかを置くようにしたほうがよいのではないか。その方向でかんがえている。部屋の整理や準備は一定のところまでで停まっている。整理はあまりされていないし、段ボールもかたづけていないし、調理環境もととのえていない。
 新書なのでするする読める。マルクス・ガブリエルはGAFAやデジタル資本がちからをもちすぎていることを批判しており、ユーザーはインターネットを利用することでGoogleなどのためにデータを提供し、いわば余剰価値を生みだしてかれらのためにはたらいているのだから、賃金を要求したってよいくらいだと言っていて、これはちょっとおもしろい。「こんなふうに考えてみてください。わたしたち全員が、インターネットのために働いているのかもしれないと。わたしたちがGoogleを使うと、Googleにはお金が発生します。それなら、ユーザーは労働者じゃないですか。/余剰価値(労賃以上に労働者が生産する価値)をGoogleのためにユーザーは生み出しているのです。誰かがクリックするという労働をするたびに、多くのデータが生み出され、Googleはそのデータをお金に換えることができます。しかし、GAFAGoogleAppleFacebookAmazon)からはわたしたちに何の見返りも支払われていません」(42~43)。中島隆博はそういうはなしを受けてイヴァン・イリイチをおもいだしたと言いつつ、かれの「シャドウ・ワーク」という概念を紹介している。デジタル的なシャドウ・ワークが現代の経済的現実として存在しているわけだ、と。応じてガブリエルが、「そう、わたしたち全員がそのシャドウ・ワークをしているんですよ。シャドウ・ワークが問題なのです。トランプやその他の現象はすべてその帰結ですから」(46)と断じているのは言いすぎではないかとおもうが。
 正午過ぎまで読み、たちあがり、水をまた一杯飲んで、屈伸をしたり背伸びをしたり椅子に座って両脚の側面を揉んだりしてから瞑想。一二時八分から。よい感じ。脚を揉んだのですぐに痺れてもこず、静止がつづけられる。身体がおちつき、ここちがよい。そとでは車が通る音がおりおり響き、建物内、左手からは上階の部屋が水をつかっているのか、管のなかを玉がころがるようなカラカラとした音がちいさく聞こえる。切りをつけて顔や首をこすり、目をあけながら腕を伸ばしたりして、それから携帯を一二時四〇分だったはずだから三二分間。
 食事へ。キャベツと大根とニンジンを切ったりスライスしたりしてサラダにして、イタリアンドレッシングをかけたうえにハーフベーコンを五枚乗せ、あとは豆腐と、冷凍のハンバーグや揚げられたこまかなチキン。昨晩とほぼおなじ。というか毎食ほぼおなじ。もうすこしバリエーションをもたせたいが。というかはやく煮込みうどんを食いたい。食べながら(……)さんのブログをのぞくとLINEの件について書かれてあり、メールが来ていたので昨晩QRコードを読みこんで友だち追加し、二、三、やりとりを交わしたが、ブログには生存報告日記が見られるとあって、それってLINEだったのかとおもった。それでログインし、(……)さんのアカウントをえらんでプロフィール表示すると、「HOME」とかいう文字があったのでそこを押してみれば、LINE VOOMというページに飛んで、そこに毎日の文章や写真が載っていたので、なるほどこういう機能があったのかとおもった。見分。生徒の(……)さんの故郷の写真が送られてきたのが都会人がフィクショナルに想像するような田舎、「絵になる田舎」だとブログにあったが、その写真や、したのほうにあった動画をみればまさしくという感じで、じぶんの実家まわりも東京のなかでは相当田舎のほうで、都市部と比べると二、三度気温が低いとか冗談で馬鹿にするやつもいたし、じっさいアパートに越してきてからそれは実感しているが、この写真のような風景はないなとおもった。もうすこし奥にいかないと、ここまでひろびろと緑がひろがっている土地はあまりない。というか、緑のひろがりじたいはふつうにあるが、そんなに平らになってはおらず、山と川が近いから土地に傾斜がありがちで森とか林とか樹々のつらなりが支配的である。草っぱらみたいなのをあまりみかけない気がする。田んぼも地元の近辺で見かけた記憶はほぼない。小学校二年生のときだったかに田植えや稲刈りの体験を学校でやった記憶はあるので、米をそだてている農家もたしょうはあったのだろうが、いまはもうやっていないのではないか。
 ものを食べ終えると洗濯。エマールが尽きた。買ってこなければ。エマールだけだと中性洗剤なので肌とか環境にはよいが洗浄力が低いので、ワイドハイターを混ぜるとよいという情報をネット上でキャッチしているので、こんどはそうしてみようかとおもっている。アタックとかふつうにつかったほうがよいのかもしれないが。洗濯が終わるまで洗い物はできないので(洗濯機のうえに洗ったものを置くため)流しに放置しておき、Notionやメモ帳できょうの記事を支度するとここまで綴った。もう二時半。


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 そのあと洗濯機のなかの洗われた衣類を干した。タオルや肌着やきのう着たワイシャツ。実家から洗濯ネットをひとつだけもらってきていて、どういうものにつかえばよいのかいまいち理解していないのだが、とりあえずワイシャツはそれに入れて洗っている。雨降りなので窓際、カーテンレールにハンガーをひっかけて窓辺を鬱陶しくすると、流しの食器類を洗って洗濯機のうえなどに配置した。その後は書抜きである。レベッカ・ソルニットの『ウォークス』を三箇所やり、そのあとブコウスキー書簡も。ブコウスキーが関係の深かったジョン・E・ウェブという出版者に、たぶんはじめてじぶんの書いたものを雑誌に載せてもらうころだろう、経歴紹介が必要だったらつかってくれといってながながとしたはなしを書き散らしているのだが、それがおもしろかったので書き抜こうとメモしておいたものの、九ページ分もあって写すのはたいへんだった。それでもさらに二箇所を抜いて切りに。BGMは『Ultimate Santana』をながし、"Black Magic Woman"とか"Europe"とかああこういう感じだったよねと。また、比較的近年のものである、ボーカルに若い衆をフィーチュアしてやった音源もおおく入れていて、けっこうどれもイケイケみたいな雰囲気なのだけれどけっこうかっこうはよい。ロブ・トーマスがうたっている"Smooth"にせよチャド・クルーガーがうたっている"Into The Night"にせよ、ボーカルが男臭いというか、セクシーといわれるような男の典型みたいな歌い方とか声に聞こえ、なんか精悍な顔に胸毛がちょっと生えていて香水のにおいをただよわせている、みたいな。日本人がそういうのをやっているとわりと受けつけづらいところがあるが、まあアメリカだし、しかもああいうラテンのほうだし……とかいう感じで、けっこうかっこいいなと受けつけてしまえる。"The Game of Love"はMichelle Branchがうたったヒット曲だが、このベスト盤にはTina Turnerのバージョンもはいっていて、その後Wikipediaを見たところではどうもこれが先に録られた版だったようで、ただTina TurnerがじぶんがMVに出るのは嫌だとか言ったようでべつのボーカルを探し、いちどMacy GrayにうたわせたがプロデューサーのClive Davisが満足行かず、Michelle Branchがどういうルートからなのか起用されたのだという。Tina Turnerのバージョンがさきにはいっていて、終盤にBranch版もあるが、あらためてきいてみるとクソ売れ線だけどまあ実にさわやかできもちいい曲じゃないかと。これは高校生のときに聞いていた。じぶんが携帯をはじめて持ったのは高一か高二のときだったのだけれど、当時のガラケーのクソみたいな通信装備でEZwebにつなぐと、なんか不法アップロードされた携帯用音源を落とせる掲示板みたいな場所があって、そこでけっこうダウンロードして聞いていたのだが、そのなかの一曲にあった。二〇〇二年の『Shaman』収録らしい。Santanaはこのころ若い衆とコラボレーションしてポップスやるみたいなアルバムを三つくらい立て続けに出していて、もうひとつ、『Supernatural』とかいう題だったか、そのへんのアルバムに、もう一曲Michelle Branchがうたったさわやかなやつがあったはずだがなまえをわすれた。"The Game of Love"の色が赤だとすると、もう一曲のほうは水っぽい透きとおった青というイメージ。それもけっこう好きだった。
 "The Game of Love"をつくったのはGregg AlexanderとRick Nowelsというにんげんで、前者はNew Radicalsというバンドをやっていたらしい。政治的に左翼としかおもえないバンド名。Rick Nowelsはプロデューサーとしてめちゃくちゃ多くの作品を手掛けているらしい。Wikipediaをみるに、AdeleとかStevie Nicksとか、Fleetwood MacJohn LegendNelly Furtado2PacMadonnaなど。Michelle Branchは高校生だか大学生だったか、『Hotel Paper』というのを図書館で借りてちょっとだけ聞いたが、同時期にNelly Furtadoもちょっと聞いていて、だからじぶんのなかではこのふたりがイメージ的にややかぶる。Gregg Alexanderのソロアルバムをその後ながしてみたが、"The Game of Love"をつくったにんげんとはおもえない、なんといえばよいのか、パンクとかハードロックとかの風味が混じりながらも九〇年代の、まあロックで、歌唱はアップダウンが激しいような、やたら高音も出すし息を豊富にふくめた部分もありで、ああこういう感じなんだとおもった。ハードではあるが、メロディのセンスとかにたしかに売れ線を狙ってつくろうとおもえばそうできそうな雰囲気はある。
 書抜きに切りをつけると五時過ぎくらいだったか。布団に避難。コンピューターをもって寝そべり、ニュースを読んだ。実家にいたころは新聞が届いていたからそれで曲がりなりにも世の動向にふれていたが、ここだとついわすれてしまう。東京新聞と読売新聞、それにGuardianに日々アクセスして、そのとき出ているヘッドラインくらいは読んでおいたほうがよいかもしれない。このときみた東京新聞には自民党安倍晋三統一教会の関係についてそこそこ詳しく書いている記事があった。あときょうのコロナウイルス新規感染者は東京で一万九〇〇〇人ほどになったらしく、一気に拡大している。部屋に籠るにかぎるな。
 七時くらいまで休みつつニュースを読んだ。GuardianやBBCで健康関連の記事も探って時間をつかってしまった。英語メディアでそういうHealthとか自己啓発みたいな記事を読むのはけっこう好きである。じぶんは健康オタクまではぜんぜん行かないが、じぶんの心身をなるべくよい状態にメンテナンスしたいという欲求はあって、そのわりにもっともかんたんな方法であるはずの早寝を一向に実行しないのだが、心身をつねになるべく万全にしておきたいというのもけっきょくはパニック障害を通過しての心理傾向である。どれだけちいさなものであれ、不安や、不安につながるような芽としてのわずかな不調やからだの鈍さなども排除しておきたいという神経症の産物だろう。しかしこのとき興味を惹かれるような記事はあまり見つからなかった。そんなもん探している暇があるならすでにメモってある記事を読んだほうがよい。
 そのあと瞑想したのだが、さきほど日記を書いたあとだったかにもしている。したがって三回目。一日二回座ればだいぶいい感じにはなるな。一回二〇分でもわりとまとまる。しかし椅子のうえでやるとけっきょくやはりどちらかの脚がしびれるので、布団のうえでできる方法をみつけたほうがよいかもしれない。それか半跏趺坐を習得するか。結跏趺坐は無理だ。半跏趺坐をやったところで脚が痺れなくなるのかわからないが。しかしけっきょく瞑想するのが心身を総合的にいい感じに調整して状態を底上げするいちばんよい技法な気がするな。まさしく只管打坐だ。禅宗の坊さんたちがもっと思想的な面ではなくて、毎回の坐禅においておぼえる感覚とか、日々の身体の調子の変化とかについて自覚的に探究して記録してくれればよいのに。こちらの感覚でひとつたしかな傾向だとおもわれるのは、一定以上瞑想すると、たぶん便通がよくなる。内臓のはたらきがスムーズになるのではないか。
 ここまで記して八時半過ぎ。日記をカテゴリごとに整理して記すようにしようかなとおもった。つまり本文はこのようにいちばんうえに置き、その他つくった短歌とかニュースのメモとかを以下に分けて載せるという。さいきんは順番にこだわらず、書いたりメモしたりのたびに付け加えていくかたちを取っていたのだけれど、本文を書き足すときにそれまで書いた部分を読み返すときがあり、きょうなんかはニュースのメモが長々とあるから、そのたびスクロールしてうえまでもどらなければならず、というのが面倒くさくなったのだ。すくなくとも本文は本文でひとつの区画にまとめておいたほうがやりやすいだろう。そのなかでの時系列はまあ自由でもよい。いままでダッシュを三つ引くことで各部の区切りをもうけていたが、本文区画ではすでに書かれた部分とその後の加筆のあいだに*を置けばよいだろう。書抜きとおなじ。あるいはべつにまえとおなじようにまたぜんぶつなげて書いてもよいかもしれない。それでメモ的なものは本文部分のしたにまとめると。ニュース記事も記事ごとで分けようかなとおもったのでいまそうしてみた。引用のないタイトルだけのものはいちばんうえにまとめておき、引用がある記事はそれぞれダッシュで分けると。この方策がつづくかどうかわからないが。でも読みかえしをかんがえても整理してあったほうが良い気がする。いっぽうで、整理せずに順序なしで読めたほうがおもしろい気もする。紙で書けばそうなるはずだし、むかしの作家の日記とか読んでも、そういう雑駁さがひとつの面白みだったりもするわけだし。そうかんがえると迷うな。

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 その後は飯を食ったり、前日の日記を書いたり。けっこう時間がかかり、さいごまで済んだころにはもう日付が変わっていた。どころか、一時がちかかったかもしれない。というか、越えていたかもしれない。しかしともかくじゅうぶんに書けたのでよい。一一日の月曜日のことはもう犠牲にすることにした。とすれば一二日、一三日は満足にとは行かずともすでにだいたい書いたのでそれでOK。投稿は翌日にまわすことに。シャワーを浴びた。カーテンレールにかけてあったハンガーからバスタオルを取り、収納スペースの籠からフェイスタオルを。裸になって肌着をニトリのビニール袋に入れておき、水場にはいると湯を浴びるまえに髭を剃った。ようやく剃れた。伸びてくるとわりと鬱陶しいのでもうすこし頻繁に剃りたい。毛に脂が溜まるためか、なんか肌がちょっとかゆくなったり、よくわからないがわずらわしくなる。まず水道から水を出して髪を濡らしてかきあげたりうしろにながしたりし、それから越してきてすぐに近間のローソンで買ったSchickのフォームを顔に塗った。スースーする。おなじくそのときにローソンで買ったGilletteの剃刀をつかって、もみあげのところから剃っていく。つぎに頬とか額とか眉の上端。そうして口周り。上唇と鼻のあいだを剃るのがいちばんむずかしい。さっぱりすると水で顔をながし、それから浴槽のなかにはいってシャワー。からだとあたまを洗うと扉をあけておいて蒸気を逃がしつつフェイスタオルで身をぬぐう。浴槽をまたぎこえるさいに足の裏も拭いておき、浴槽の縁や閉じてある便器の蓋の表面に水気が散っているのでそれもぬぐって、そとの足拭きのうえに出るとそのへんに置いておいたバスタオルを取って本式にからだを拭いた。下着を身につけると収納部のタオルがはいっている籠からドライヤーを取り、寝床のうえに行って、部屋の隅のコンセントにつないで髪を乾かす。そうしてハーフパンツも履き、そのあとたしかまたみじかめに瞑想したはず。その後はなまけて五時過ぎまで不健康にだらだらした。


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 三首:

 目を閉じてここに感じる生成の無限の狭間のどこでもない場所

 さえずりに時を奏でよ霧の瀬は億の鳥にも尽くせぬ一夜 [ひとよ]

 このおれの身体こそが場所なのだ世界のなかで世界ではない


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  • 「「母親が旧統一教会に1億円を献金、経済難で進学諦め…」山上容疑者の伯父が明かす 安倍元首相銃撃の背景」(2022/7/15)

 安倍晋三元首相が奈良市で街頭演説中に銃撃され死亡した事件で逮捕された無職山上徹也容疑者(41)の伯父(77)が15日、大阪府内で取材に応じ、容疑者の母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に、土地と建物の売却益などを原資に計約1億円を献金したと明らかにした。山上容疑者も母親の献金について供述しており、奈良県警は旧統一教会に恨みを募らせた背景を詳しく調べている。
 伯父は山上容疑者の父親の兄。母親が旧統一教会に入会したのは1991年ごろで、84年に容疑者の父親が自殺したことがきっかけだと説明した。入会してすぐに約2千万円を献金したとし、多額の献金で容疑者の家族は生活できなくなったと強調。容疑者は経済難で大学に進学できず、海上自衛隊に所属中の2005年に自殺を図ったと明らかにした。生活が困窮した兄と妹に自身の死亡保険金を渡すことが目的だったとしている。
 伯父によると、計約1億円の献金には容疑者の父親の死亡保険金約6千万円も含まれていた。母親は02年に自己破産した後も、数十万円単位の献金を繰り返した。伯父は母親について「(旧統一教会にとって)重要な信者だったのだろう。マインドコントロールされていた」と話した。(共同)


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 旧統一教会は教祖の故・文鮮明氏が1954年、韓国で創設した。間もなく日本でも布教活動が行われ、59年には日本の旧統一教会ができた。ホームページによると、教義は文氏が考案した「統一原理」と呼ぶ思想・理論によって、理想の家庭や世界平和を実現する指針を与えるとする。
 宗教学者島薗進氏は「ある時期までは、『異端のキリスト教』という枠内にあったと思うが、70〜80年代にかけ、非キリスト教化し、同時期に霊感商法に傾いていった」と分析する。島薗氏によると、新興宗教の中では比較的若い人の入信が多く、高学歴の者も少なくなかったという。「現代文明への失望感が背後にあった。また、離婚が増え始め、家族的な道徳基盤を求める人の流れもあっただろう」
 多くの信者を獲得したが、80年代には、先祖供養などを名目につぼや宝石といった高価な品を訪問販売する「霊感商法」や巨額の献金が社会問題に。歌手の桜田淳子氏が92年に信者であることを明かし、教団が配偶者を推薦する合同結婚式に参加したことも話題になった。この合同結婚式は信者の「婚姻の自由を侵害する」として違法と判断された判決も出ている。
 2000年には、旧統一教会系の企業が米国の通信社UPIを買収したこともニュースになった。この企業は米保守系日刊紙ワシントン・タイムズも所有している。

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 旧統一教会が拡大していく過程で見過ごせないのが、政治との関係だ。特に旧統一教会の実質的な政治部門として機能してきたのが、保守系政治団体国際勝共連合」(勝共連合)だとされる。
 勝共連合は1968年、文氏が韓国と日本で設立した。目的は反共運動。時代は東西冷戦が激しさを増し、米国はベトナム戦争を泥沼化させていた。共産主義の脅威が今より切迫して語られていた。
 初代名誉会長には、右翼の大物で戦後政界のフィクサーと言われ、日本船舶振興会(現日本財団)の会長を務めた笹川良一氏を迎えた。岸信介元首相を名誉実行委員長とする集会も開かれたという。
 塚田氏 [上越教育大の塚田穂高准教授(宗教社会学)] は「勝共連合の設立経緯から岸信介福田赳夫といった理念的に近い保守政治家と結び付いていった」との認識を示す。その上で、「今は改憲や家族観、反ジェンダーフリーなどで考えが合致する政治家との距離が近い。団体にとっては理念の実現や運動が守られることへの期待があるのだろう。一方で、政治家は選挙などで支援が得られる。右派政治家と団体がお互いに利用し合う関係になっている」と解説する。

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 問題となっている安倍氏との関係はどうなのか。
 「各地の紛争の解決に努力してきた韓鶴子総裁をはじめ皆さまに敬意を表します」。昨年9月、旧統一教会の友好団体「天宙平和連合(UPF)」が開いた大規模集会「シンクタンク2022 希望前進大会」に、安倍元首相がビデオメッセージを寄せた。
 UPFは文鮮明氏と妻で現在の教団トップである韓氏が2005年に創設したNGOだ。
 安倍氏は「UPFが家庭の価値を強調する点を高く評価します」「偏った価値観を社会革命運動として展開する動きを警戒しましょう」と家族観への共鳴を明示した。
 「積み重ねを経て、ついに隠さなくなった印象だった」。安倍氏と旧統一教会の関係についてジャーナリスト鈴木エイト氏は語る。
 安倍氏官房長官時代の06年、旧統一教会の違法な勧誘などが問題化する中、UPFの集会に祝電を寄せた際、「誤解を招きかねず、担当者に注意した」とコメントしていた。
 鈴木氏によると、安倍氏と旧統一教会との関係の深まりは、12年に首相に返り咲いて以降になる。憲法改正と長期政権を目指す安倍氏自民党にとって、「組織票に加え、秘書や選挙の運動員などの人員を提供してくれる旧統一教会は有用な存在だった」。
 安倍氏に限らず、教団関連の行事に出席したり、祝電を寄せたりする自民党議員が続出していたという。「単に容疑者の思い込みで片付けるのでなく、安倍氏と旧統一教会の関係を解明しないと、事件の全容はつかめない」

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 全国霊感商法対策弁護士連絡会全国弁連)の山口広代表世話人は「旧統一教会を宗教団体と一般化してはならない。巧妙、計画的、組織的にカネを集める団体だ」とくぎを刺す。
 09年、旧統一教会霊感商法に対して、警視庁が強制捜査を実施。教団施設や関連会社が捜索され、幹部らが特定商取引法違反(威迫・困惑)で有罪判決を受けた。山口氏によれば、この事件を受け教団は政治家への働き掛けが不十分だったと総括し、関係強化を図ったという。その時代に第2次安倍政権は重なる。
 11日に会見した世界平和統一家庭連合の田中富広会長は「09年以降は献金のトラブルはない」としているが、霊感商法被害救済担当弁護士連絡会の渡辺博事務局長は「来年5月までに韓国の教団施設建設のため、1人120万円献金せよという大号令が出ている。今もやっていることは変わらない」と話す。
 全国弁連では19年、全国会議員に、旧統一教会関連の行事に参加したり、メッセージを送ったりしないよう要望書を提出した。
 昨年の安倍氏のビデオメッセージに対しては、抗議文を内容証明郵便で送ったが、地元事務所からは返答がなく、国会事務所には受け取りを拒まれた。メッセージは事件の動機の一つとも言われる。


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 埼玉県三芳町の「ふじみの救急病院」では11日、発熱外来に約770人が訪れ、そのうち約300人が新型コロナ検査で陽性だった。陽性率は39%。鹿野晃 [かのあきら] 院長は「第6波が収束しきる前に増加が始まった。発熱外来患者は1週間前の3倍。急速な流行を実感している」とため息をもらす。
 感染者は20〜40代が中心だ。「第6波の時よりも、患者の発熱、倦怠けんたい感、のどの痛みの程度は強い印象」という。感染が広がるオミクロン株のBA.5について、鹿野院長は「第6波で主流だったBA.1、BA.2よりも症状が強いのでは」と警戒する。治療薬の投与で1泊した患者から、「しんどいので、少し入院させてほしい」という要望もあったという。

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 鹿野院長は「既に対応はいっぱい、いっぱい。人手が足りない」。コロナ以外の患者の受け入れも難しくなっている。第6波ピーク時、職員は約200人いたが、PCR検査の診療報酬引き下げや、重症病床削減による補助金の目減りに伴い、現在は約130人の体制に縮小している。「今回は第6波ほどの力では戦えない」のが実情だ。


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 【北京=白山泉】中国国家統計局が15日発表した2022年4〜6月期国内総生産GDP)は、物価の影響を除いた実質で前年同期比0.4%増だった。前期比では2.6%減だった。前期比でマイナス成長となるのは、湖北省武漢市で新型コロナウイルスの感染が発生した直後の20年1〜3月期以来。
 上海の2カ月にわたる都市封鎖が生産や物流のサプライチェーンを寸断。工業生産が前年同期比0.7%増と停滞。民間企業を中心に雇用が悪化し、個人消費も同4.6%減と落ち込んだ。国家統計局の付凌暉 [ふりょうき] 報道官は15日の会見で、「今年に入り国際情勢の悪化とコロナ感染の経済的影響は明らかに大きくなっている」と指摘する一方で「一連の経済対策の効果が出れば、安定的な成長を維持できる」と回復に自信を見せた。
 一方、5月以降は上海の港湾機能の改善で輸出が徐々に回復したが、6月に封鎖解除されて経済活動が再開するにつれて感染が再拡大。上海のほか安徽省江蘇省広東省などでも新規感染が広がり、小規模な地区封鎖や行動制限が相次いでいる。


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Sri Lanka’s President Gotabaya Rajapaksa has officially resigned, the parliamentary speaker confirmed, after a dramatic week which saw the beleaguered leader flee the country after his presidential palace and offices were stormed by protesters.

(……)

Rajapaksa is currently in Singapore, where he fled to on Wednesday, via the Maldives. His resignation letter was sent late on Thursday night, first via email and then the original dispatched on a diplomatic flight, but the formal announcement was delayed until Friday while the speakers’ office verified the letter.

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The fall of Rajapaksa as president follows months of sustained protests calling for him to step down. He had ruled alongside six members of his politically-powerful family, including his brother Mahinda Rajapaksa who was prime minister and his brother Basil Rajapaksa who was finance minister. But while all his family members had been forced to resign in recent months due to public pressure, the president had clung on to power, much to the anger of protesters on the streets.

Many people hold Rajapaksa responsible for driving Sri Lanka into its worst economic crisis since independence in 1948, which has led to severe shortages of fuel, food and medicines. Along with several members of his powerful family who held political posts, he is accused of economic mismanagement and widespread corruption.


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At least 23 people, including three children, were killed and up to 66 others wounded after Russian missiles struck civilian buildings and a cultural centre in the city of Vinnytsia, in central Ukraine. The attack on Vinnytsia, far from the war’s front lines, occurred mid-morning on Thursday when the streets were full of people. Ihor Zhovkva, deputy head of the office of the president of Ukraine, said that “more than 70 people are still in hospital” and “18 people are missing, and the rescue operation is going on”. Eleven bodies, including two children, remain unidentified.

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Russian and pro-Russian Luhansk People’s Republic separatist forces claim to have entered the outskirts of Siversk in Ukraine’s Donbas, the UK Ministry of Defence has said. Acknowledging that reports have not corroborated, the ministry said Russian forces have been slowly advancing westwards and probing assaults towards Siversk from Lysychansk to open a pathway onward to Sloviansk and Kramatorsk.

Russia has banned investigative news outlet Bellingcat and its partner The Insider. Russia’s prosecutor general said their activities “posed a threat to... the security of the Russian federation”. A statement said both organisations will be added to Russia’s “undesirable” list, which bans them from operating in Russia and makes cooperating with them illegal for Russian organisations and individuals. Bellingcat founder Eliot Higgins questioned how it can be applied, given that it has no official presence in Russia

New satellite images show an expanding mass grave site in the Russian-occupied Ukrainian city of Mariupol, according to a report published by the UK-based Centre for Information Resilience (CIR). Investigators at CIR used satellite images to determine that approximately 1,400 new graves were added at the Mariupol Starokrymske cemetery between 12 May and 29 June.

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Ukraine’s infrastructure minister, Oleksandr Kubrakov, said Kyiv was “definitely a step closer” to reaching a deal to export grain through its Black Sea ports after talks with Russia, Turkey and the United Nations. Turkey earlier announced a deal with Ukraine, Russia and the UN aimed at resuming Ukrainian grain exports blocked by Russia.

Vladimir Putin signed into law tougher measures for individuals or entities considered “foreign agents” by Russia, as well as a new law equating defection with high treason. The new bill, which will come into force on 1 December, will broaden the definition of “foreign agents” to anyone deemed to have fallen “under foreign influence” or receiving support from abroad, not just foreign money.

Russia has begun “volunteer mobilisations” to address its soldier shortage, according to the Institute for the Study of War. In a new report, the US-based thinktank said the Kremlin had “likely ordered Russian ‘federal subjects’ (regions) to form volunteer battalions to participate in the Russian invasion of Ukraine, instead of declaring partial or full mobilisation in Russia”.