きょう、Aくんに頼んだ、いっしょに本読んで金もらう件の初回だった。バルトの『記号の国』の旧訳である『表徴の帝国』を読むのだが、二時間で扉ページの断り書きと、「かなた」という最初の章(11〜14の三段落)までというスローペースで、それじたいはぜんぜんいいのだけれど、いろいろしゃべっているとちゅうで声が嗄れてきて、こりゃなかなか大変な仕事だわとおもった。実家と職場に行く日いがいはふだんぜんぜんしゃべらないし、きょうは通話のまえに髪を切りにも行ってきて、そこでもけっこうしゃべったので、そのせいもあったとおもうが。きょうは初回なのでお試し扱いで、こんな感じでやっていくよというのを体験・確認してもらい、次回からは一時間、隔週とすることにしたので、声が嗄れるほどのことはないだろう。二時間ののちに近況をちょっと聞くと、Aくんは『寿町のひとびと』という本をいま読んでいるといい、横浜にあるドヤ街のひとびとに取材したルポルタージュだというが、はなしてくれたエピソードや人生がいろいろおもしろかった。著者はいま検索したら、山田清機というひと。こちらからは村上靖彦の『客観性の落とし穴』を紹介し、哲学方面のひとだが近年は西成に出入りしていて、そこでヤングケアラーのひととかに取材した本をつくっているようだと言っておいた。村上靖彦の聞き書き本は読みたい。
『表徴の帝国』の訳はたしかにあまりよくない。「表徴」も、いまだったら表徴なんてもういわないし。sign、シーニュのことなので、ふつうに「記号」というだろう。
これでいっしょに本読んで金もらうほうの顧客はふたりになった。体調の向上に応じて塾の勤務も増やし、こっちの顧客も増やして、なんとか自活したい。月一〇万だ。一〇万でなんとかギリギリやっていき、大病をわずらったらもうしょうがねえ、という感じで行きたい。いま小説も書けているし、あとは健康体を取り戻すのと、自活できれば、こちらの人生はだいたいOK。もうすこし元気になったらブログでも顧客を募集しようとおもっているが、ひとまず今月は現状維持かな。来月か再来月くらいにはもうひとり増やせるようになっているかもしれない。このまま行けば一年後にはそこそこ心身のレベルは上がっているだろう。それまでに金がもつのかが問題だが。