2014/1/13, Mon.

 九時半に起床してカレー、キャベツ、ごぼうと肉の煮物を食べた。母が読んでみろというので『これからのお葬式』という本を半分くらい読んだ。その後部屋に軽く掃除機をかけ、Christian McBride『Live at Tonic』を流しながら『フランシス・ポンジュ詩集』を読むが、書き抜きに時間をとられていくらも進まない。読んでいる最中に右側頭部から後頭部にかけて鋭い痛みを感じた。
 風呂を洗ってアイロンをかけて十二時半になった。Curtis『Live!』を流しながら腕振り体操をしたあとに再びポンジュ詩集を読みすすめた。
 駅前の駐車場に車を入れて、母がリサイクルショップに行っているあいだに職場を訪れてシフトについて話しあおうと思ったが、ちょうど教室の前にいた生徒に聞いてみたところ上司は不在だというので断念して車に戻った。母が戻ってからほど近いスーパーの前に移動し、路上駐車して買い物をすませた。キャベツと肉を買った。ペットボトルと白トレイをリサイクルの袋へ入れたが、なぜか納豆のパックは受けつけていなかった。車に戻ると母が、パトカーが来てやばかった、寸前で向こうにいってくれてどうにか難を逃れた、と騒いだが、あとで携帯を見てみるとこのときにメールが三通に伝言メモまで入っていた。パン屋にも寄る予定だったがそんな状態なのでさっさと場を離れようとなり、病院に向かう途中にある別のパン屋の駐車場に入ったところで母がYさんからのメールを見ると予定より時間が遅くなりそうだったので、どこかで時間をつぶさなくてはならなかった。近くの図書館に寄って用を足し、小さな図書室をぼんやりと見てまわり、そのあいだに母は納豆のパックを捨てた。本屋へ移動してぼんやりと見てまわったがローカルな本屋なのでたいしたものはない。みすず書房の新刊であるジョン・ルカーチ歴史学の将来』とスチュアート・D・ゴールドマン『ノモンハン 1939――第二次世界大戦の知られざる始点』がいくらか気になった。岩波文庫カフカ短篇集を買おうかとも思ったがやめた。ドラッグストアで買い物をしていた母からメールが入ったので車に戻ると、左隣の黒いフォルクスワーゲンが轟々たる駆動音を吐いていた。
 四時ごろ病院に着いた。しばらくしてYさんとYちゃんが成人式後のK子を連れてきた。K子は普段はあまり身づくろいに気をつかわないらしいが、顔立ち自体は悪くないので燃え立つような赤い着物を着て化粧もしていると美しく見えた。見せられてよかったね、と母やYさんは涙ぐんだ。病室でいくつか写真を撮って辞去した。祖母はまだしばらくこちらにいたいらしいが、それがどのくらいになるのかは誰にもわからなかった。薄暗くなった空に月が顔を見せはじめているなかを帰宅した。荷物を家に運びこんださいに手を滑らせて袋を落とし、卵を七個も割ってしまった。
 上司と電話をして、明日の夕方からバイトに復帰しなくてはならなくなった。風呂から出て六時四十分だった。米、中華丼の素を混ぜた炒めもの、煮物、キャベツを食べた。キャベツを食べている最中に誤って下唇の左部を噛んだ――二回も。ここは折にふれて噛んでしまうところで、その後に必ず大きくできる口内炎のことを思うと神経が苛立った。食事を終えると八時で妙に時間をかけすぎてしまった。
 aiko『夏服』を流してChris Arnade "America is still a deeply racist country"(http://www.theguardian.com/commentisfree/2014/jan/12/america-racism-subtle-dangerous-new-york)、"The wealthy 'make mistakes', the poor go to jail"(http://www.theguardian.com/commentisfree/2013/sep/08/wall-street-versus-poor-in-america)を読んだ。数日前からアトピーめいた身体のかゆみに襲われていた。最もひどかった両脇腹と両上腕は快癒しつつあるかわりに範囲が広がって太ももから腕の先まで発疹ができて赤くなっているのだが、茶を飲んだ瞬間に各所でちくちくとしたかゆみが発生しはじめたことからカフェインが影響しているのではないかと推測した。"Julie Myerson: how mindfulness based cognitive therapy changed my life"(http://www.theguardian.com/lifeandstyle/2014/jan/11/julie-myerson-mindfulness-based-cognitive-therapy)を途中まで読んでから何の目的意識もなくだらだらとギターとベースを弾いたあとに読み終えた。Art Ensemble of Chicago『Urban Bushmen』を流しながら日記を書くと日付が変わっていた。