2014/2/11, Tue.

 十時に起きて、混ぜご飯を三杯も食べたことからも最近は食欲が過剰であるように思われるが、ふくれた腹を抱えながら食後からギターを弾いてあっという間に十一時半をむかえてそろそろ客が来ようかという時間になったが、弔問客の相手をするのも面倒だというか、自分がわざわざ同席する必要もないと気づいたので部屋にこもって昨日までの日記をつづることにし、二時前にようやく二月十日の分まで書き終えるとひどくほっとしたのと同時に疲労も感じて、ロベール・ドアノー写真集『子どもたち』をぱらぱら眺めながら絶望的にだらだらして午後三時半になり、昼前から弔問に来ていた親戚も帰ったようだったので上階にあがり、ソファでくつろぎながらぼけっとテレビを眺めていると、例の新垣なんとかいうゴーストライターの人が映って、あの人斜視だな、とふとつぶやけば、ロンパリでしょ、と母が言い、古い言葉だと思いつつ、なんでロンパリっていうの、とたいして答えを期待せずになかば自問の形で聞くと、片目でロンドンを見てもう片目でパリを見てるってことだよ、とまさかの返事があり、なぜかものすごく得心がいったのと同時に、母がそんなことを知っていたことにも驚いて大げさに声を上げてしまったのだけど、リビングに上がったのは小腹が空いてなにか食べたかったからなので茶をついで客に出すための菓子やその客が持ってきた菓子をいくつかつまんで部屋に戻るとふたたびギターを弾いて四時を過ぎ、Hさんの小説を六十二頁の途中まで読んだあとはハーヨ・デュヒティング/後藤文子訳『パウル・クレー 絵画と音楽』を散漫に読みだしてこれがおもしろいのだが時間は飛ぶように過ぎて七時も越えると風呂に入り、夕食をとり、三度ギターを弄んだあとはDerek Bailey『Duo & Trio Improvisations』を流してまたパウル・クレーを読むと十一時を回って日記を書きだしたのだけど昨日までの日記がわりと大作だったためか絶望的に書けない日である。