2014/7/14, Mon.

 メモを取らなければ何時に起きたのかすらおぼえていない。夜更かしをしたからたぶん寝坊はしていた。十時ごろだったかもしれない。朝になにを食べたのかもおぼえていない。十三日の日記をそこそこ長めに書いたけれど、前日にすべてメモしてあったからそれほど時間はかからなかった。昼を過ぎてシーフード味のカップラーメンを食べた。そこから仕事にいくまでひたすらだらだらした。
 家を出た四時半ごろには陽ざしがそこそこ弱まっていたから助かった。Tさん夫妻が家の前に出ていた。おばさんのほうがこっちに気づいた。おじさんは車庫で車にエンジンをかけていた。このあいだなにかもらったらしいから、なにをもらったのか把握していないけれどお礼をいった。出てきたおじさんも加わって、塾の講師をやっていると話した。とにかく暑いからおからだに気をつけて、と別れた。ふたりともずいぶん歳をとってしまった。おばさんは口元のしわが増えたし、杖をついている。おじさんは耳がすこし遠くて、立ち居振る舞いもなんとなくよたよたしている。歩いているとふたりの車がうしろから来たから会釈した。
 坂の入り口のガクアジサイはまだ咲いているけれど、装飾花の色がすこしあせてきたような気もした。駅まで歩くだけで汗だくになった。ベンチに座った女の人も、むき出しの腕をタオルでふいていた。マリンっぽいブラウスの半袖の脇のあたりに切れこみが入っていてひらいていた。ポカリスエットを自販機で買った。Miles Davis『Four & More』を聞きながら電車に乗った。南の空は、ピントが合っていないみたいにぼやけた青だった。
 四時間くらい働いた。つかれた。
 歩いて帰ったら雨が降りだしたから急いだ。それほど強くはなかったけれどネクタイがよく濡れた。街灯の光のなかが霧がかかったみたいにぼんやりしていて、夜空にはなにも見えなかった。歩いている最中はそんなに暑くないけれど、家のなかに入ると熱がからだにぴったりはりついた。ワイシャツを脱ぎとった。着替えて食事にした。米、焼き鮭、卵と玉ねぎのみそ汁、きゅうりのサラダを食べて、こまかく切ったスイカもいただいた。スイカブルドッグを連れているTさんからもらったといった。冷蔵庫をのぞくとまだ半分あった。父が入浴しているあいだリビングでお茶を飲みながらプルーストを読んで待った。入れ替わりに風呂をすませて、洗濯機に風呂のお湯をくんで一度洗って脱水するあいだも読みながら時間をつぶした。父は仏間を使って荷物を準備していた。明日から会社の活動で東北へボランティアに行くらしかった。洗濯機をまわし終えると下におりて、歯みがきをしたあとに成田龍一『近現代日本史と歴史学』をすこしだけめくって眠った。