(……)一九三〇年代初頭、政治はしだいにナチの思惑どおり、暴力的に進められることになる。
それでもナチは、あまり事を急ぎすぎないよう注意しなければならなかった。成果は一九三二年七月三一日の国会選挙で明確に示される。このときNSDAPは自由選挙で最高の支持を得て、得票率は三七・四パーセントに達し、国会第一党となった。(……)
(リチャード・ベッセル/大山晶訳『ナチスの戦争 1918-1949 民族と人種の戦い』中公新書、二〇一五年、40)
- 午後一時四五分まで完膚なきまでの寝坊を達成した。
- 食事中、何らかのテレビドラマが流れている。母親が録画しておいたものらしい。高校の男性教師が「ボカロP」をしており、念願のCD作品をイベントで配布するのだが、そこに自分の曲を歌ってくれた歌い手の女性が会いに来ることになっている。互いに相手の正体を知らないが、その女性が実は彼の高校の生徒で、土壇場でそのことに気づいた教師はとっさに変装をして正体を隠したところ、やって来た生徒は彼に対する憧憬の念をまくし立てて去っていく。そうした熱い思いの発露を目の当たりにした教師は自らの素性を偽ったことの正当性に疑念を抱き、生徒を追いかけていって正体を明かす――という実にありがちなストーリーの仕立て方である。「追いかける」というのは一般的な物語によく見られるモチーフで、しかもそこには大抵、「必死に」「全力で」という感情性の意匠が付与されて「盛り上がり」(とされる要素)を構成するものだ。終わりに至って、『女子高生の無駄づかい』というタイトルが画面に現れて、ああこれがそうなのか、と思った。Twitterのトレンドにそのワードを見かけたことはある。
- 新聞。ドナルド・トランプがイスラエル・パレスチナ間の和平案を提示してから一か月が経ったところだが、パレスチナ側の抗議活動は限定的なものに留まっていると言う。それはやはり生活のためにイスラエル内で働くパレスチナ人が増えたことが主要な要因であり、加えてパレスチナ自治政府内に蔓延する汚職も一般市民から反感を持たれていて、パレスチナの大義のために身や生活や命を賭けて闘争する人間が少なくなったのだということだ。イスラエルで働く方がパレスチナ自治区で働くよりも数倍の賃金が貰えると言うからどうしようもない。そうした事情を反映して、イスラエル・パレスチナ間の今後の展望についての調査においても、二国家共存を支持する人よりも一国家案に賛成する人の割合の方が高くなっているとのことだった。
- ロシアはモスクワの兄夫婦の家では、ちょうど一か月前、一月二九日にTKくんが生まれたわけだが、その赤子は肺炎に掛かって入院していると言う。症状は安定したようなのだが、生誕一か月で肺炎などとはやばいのではないか。肺炎と言えば、九時前のニュースでもコロナウイルス関連の話題ばかり扱われていて、日本国内のどこで感染者が発見されたという話ばかりが流されている。
- 入浴。立てた背を浴槽の壁に寄せて静止する。鼻腔内から鼻水が発生し垂れてきて、入口の辺りを蛞蝓のごとく非常に緩慢な動きで這い落ちていく感触が皮膚に伝わって凄まじくくすぐったい。しかしそれも我慢しながら観察し、穴の付近がある程度汚れたところで手を動かして拭く。途中で姿勢を崩して低くし、縁に頭を預けて安楽に浸る。風呂というものは至高である。一人暮らしをするとしてもきちんと浴槽に湯を張って浸かる習慣はやめたくないが、しかしそれだとシャワーで済ませるのに比べて金もよほど掛かるのだろうから、実現は難しいかもしれない。
- LINEを覗くとTDからメッセージが入っており、三月一七日の夜にクラシックのコンサートを観に行かないかとあった。TDと一緒に行くのではなくて、元々彼が行く予定だったところが別の用事が入ってしまったために代わりを探していると言う。席はTDの母親と隣になるらしい。前々から話に聞いているTDのおじも行く予定なので、演奏会後に飯でも食って交流をしてほしいとのことだったので、行かせていただこうと返事をしておいた。出演はウラディーミル・フェドセーエフ・指揮/小山実稚恵・ピアノ/チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラで、演目はラフマニノフ: ヴォカリーズ Op.34-14、ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第二番 ハ短調 Op.18、チャイコフスキー: 交響曲第六番 ロ短調 Op.74「悲愴」である。会場はサントリー・ホールだが、このホールは昨年父親とコンサートを観に行った場所である。とは言え、コロナウイルスの問題でオーケストラの方が来日を取り止めにする可能性も充分あるだろう――と考えていたところ、実際その後、この演奏会は六月に延期になった。
・作文
23:42 - 24:25 = 43分(29日)
・読書
19:35 - 19:45 = 10分(日記)
22:56 - 23:36 = 40分(ブログ)
計: 50分
- 2019/2/26, Tue.
- 2019/2/27, Wed.
- 2019/2/28, Thu.
- fuzkue「読書日記(169)」: 12月25日(水)
- 「わたしたちが塩の柱になるとき」: 2020-02-09「凝視する一瞬先におとずれるものがあるのかないのかを知る」; 2020-02-10「肖像の背景だけを描きなおし君を海辺に連れていくのだ」
・睡眠
3:00 - 13:45 = 10時間45分
・音楽
- 中村佳穂『AINOU』