2020/3/23, Mon.

 一九四一年一一月にゲーリング(東方の経済政策全体の責任者)が説明したように、当分の間はドイツの戦争経済に早急に必要なものが優先されたが、長い目で見て、「新たな東部占領地域は、植民地という観点からすれば、そして植民地的な方法をもってすれば、経済的に役立つ」はずだった。ドイツ人が野蛮な東部占領地域を「文明化」しに行くとなれば、巨大な規模の移住計画が見込まれる。そのためにはドイツとウラル山脈の間に住む約五〇〇〇万の人々(ほとんどがスラヴ人)を追放して、人種的に「価値ある」人々が移住する場所を作らなければならない。何十年もの長きにわたりドイツの農業が苦しんできた構造的な問題はこうして解決され、また、ドイツ本国にある農地だけでは国民を養いきれないという問題も、東方の「生存圏」にアーリア人農民が定住することで解決されるはずだった。
 (リチャード・ベッセル/大山晶訳『ナチスの戦争 1918-1949 民族と人種の戦い』中公新書、二〇一五年、162~163)



  • 午後四時まで比類なき寝坊。過去最大級の粘菌的な堕落ぶりではないか?
  • 別に睡眠において遺憾なく発露された怠惰を埋め合わせようと思ったわけではないのだが、読書には精を出した。特に何故だか「記憶」記事の音読に精力的に傾注する意欲が湧いて、三時間以上も読んだくらいだ。従って、一〇番から最新の九八番まで、ほとんどすべての項目をさらうことができた。深夜にはロラン・バルト石川美子訳『零度のエクリチュール』からの書抜きも終わったので、そこからの引用も追加しておき、現在、一〇七項目を数えている。Evernoteの動作が重くなるのを避けて、一記事で大体一〇〇項目前後に留めようと思っているので、一つ目の「記憶」記事はこれで区切り、二つ目に当たる「記憶2」の記事も新規作成した。
  • 相当久しぶりに英文記事も読んだ。Joanna Schroeder, "Racists Are Recruiting. Watch Your White Sons."(https://www.nytimes.com/2019/10/12/opinion/sunday/white-supremacist-recruitment.html)である。英語の語彙を拡張し身につけていくのにも、「記憶」記事による書抜きの復習と同様に音読を活用すれば良いのではないかと思い当たって、「英語」という記事を拵え、意味のわからない語を含む文を、それぞれ番号を付して並べて記録していった。これを「記憶」記事と同じく、一項目二回ずつ音読して頭に入れていくという按配である。ただ単語帳を作って学習するよりも当然ながら労力は掛かるわけだが、嵩のある文章の単位で繰り返し読むことによって、目的の語だけでなくその文に含まれるほかの表現や形にも自ずと馴染むことができるはずなので、その結果としてより全般的な英語力が向上するのではないかと期待するところである。
  • 本線の読書は、巽孝之『メタファーはなぜ殺される ――現在批評講義――』を読み終え――この本は二一日からの僅か三日間で読み終えたわけなので、なかなか勤勉な書見ぶりである――、プリーモ・レーヴィ/竹山博英訳『周期律――元素追想』を読みはじめた。
  • そのほか、これも久しぶりのことだが、一年前の日記の読み返しも行った。三月五日から八日まで。


・作文
 27:37 - 27:53 = 16分(23日)
 27:53 - 28:21 = 28分(7日)
 計: 44分

・読書
 16:36 - 17:13 = 37分(巽)
 17:17 - 17:40 = 23分(レーヴィ)
 17:49 - 18:49 = 1時間(「記憶」)
 19:39 - 19:53 = 14分(日記)
 19:54 - 21:17 = 1時間23分(「記憶」)
 21:45 - 21:53 = 8分(「記憶」)
 22:25 - 22:44 = 19分(「記憶」)
 22:55 - 23:16 = 21分(「記憶」)
 23:18 - 23:56 = 38分(Schroeder)
 24:23 - 25:15 = 52分(レーヴィ)
 26:07 - 26:49 = 42分(バルト; 書抜き)
 27:07 - 27:37 = 30分(高橋; 書抜き)
 28:21 - 29:01 = 40分(レーヴィ)
 計: 7時間47分

・睡眠
 4:50 - 15:55 = 11時間5分

・音楽

  • Rainbow『Long Live Rock 'N' Roll』
  • The Rolling Stones『Sticky Fingers』
  • cero『WORLD RECORD』
  • dbClifford『Recyclable』
  • D'Angelo『Brown Sugar』
  • Christian McBride『Kind Of Brown』
  • Tuck & Patti『The Best Of Tuck & Patti』