「もう待ってやらないぞ」と笞刑吏は言い、笞を両手につかむと、それをフランツに打ちおろした。一方ヴィレムのほうは、隅っこにうずくまって、頭をそちらに向ける勇気もなく、こっそりと様子をうかがっていた。と、そのとき、フランツの発した悲鳴があがった。切れ目もなく、まったくののっぺらぼうで、とても人間から出たものとは思えず、拷問にかけられた機械が発するような悲鳴であった。(……)
(辻瑆・原田義人訳『世界文學大系 58 カフカ』筑摩書房、一九六〇年、53; 『審判』)
- DiscogsでMatt Clohesyの参加作を探る。Marshall Gilkes Quartet『Edenderry』(二〇〇四年)というのがまず気になった。Gilkesというトロンボーンの名は聞いたことがなかったが、Clohesyのほか、Jon Cowherd(p)とJohnathan Blake(ds)が共演している。Jon CowherdはBrian Blade Fellowshipで弾いていた人である。
- 二〇〇五年にはGeoffrey Keezerが『Wildcrafted - Live At The Dakota』という音源をMaxJazzから出していて、Clohesyがベースを担っている。ピアノトリオで、ドラムはTerreon Gully。KeezerとGullyという組み合わせは、Christian McBrideの『Live At Tonic』でも見られた。
- 二〇〇八年になるとDavid Weissというトランペッターが、『Snuck In』『Snuck Out』という対のライブ盤をSunnysideから出している。場所はJazz Standard。このライブの面子がClohesyのほか、J. D. Allen(ts)、Nir Felder(g)、Jamire Williams(ds)という具合で強力そうだ。Nir Felderに関しても、これはキャリア中かなり初期の演奏なのでは?
- The Respect Sextet『Play The Music Of Sun Ra & Stockhausen - Sirius Respect』が二〇〇九年。Clohesyは一曲のみ参加でほかのメンバーはまったく知らないけれど、Sun RaとStockhausenとか、やばくない?
- Eric Reed『The Baddest Monk』は二〇一二年。Eric Reed(p)、Etienne Charles(tp)、Seamus Blake(ts)、Matt Clohesy(b)、Henry Cole(ds)。わりと良さそう。期待が持てる名前たち。Jose Jamesも一部で歌っているようだ。
- 二〇一四年にはBjørn Solli『Agrow: The Lyngør Project Volume 1』がある。ノルウェーのギタリストらしい。Ingrid Jensen(tp)、Seamus Blake(ts)、Aaron Parks(p)、Matt Clohesy(b)に、そして何とBill Stewart(ds)。
- Jonathan Kreisbergの最近のライブ盤、『Capturing Spiritis - JKQ Live!』(二〇一九年)にもClohesyの名がある。Jonathan Kreisberg(g)、Martin Bejerano(p)、Matt Clohesy(b)、Colin Stranahan(ds)というメンバー。これは欲しい。Martin Bejeranoって全然知らないけれどどこかで見た名前だなと思っていたら、Roy Haynesの『Fountain Of Youth』で弾いていたピアノだった。
- John Hebertの参加作品も調べる。いくら時間があっても足りない。正しく底なし沼だ。
- 天沢退二郎・入沢康夫・宮沢清六編『宮沢賢治全集Ⅰ』(ちくま文庫、一九八六年)を読み終え、竹山博英訳『プリーモ・レーヴィ全詩集 予期せぬ時に』(岩波書店、二〇一九年)を始めた。詩という種類の言語も面白いものだ。
- 餃子を焼いて玉ねぎ及び卵の味噌汁を拵える。それで、まだ五時半だったが空腹が極まっていたので早々に食事を取った。
- 運動の時間を正式には取れていないが、風呂場で湯に入る前にちょっと体操をすると言うか身体をほぐしたり、ベッドで書見しているあいだ、折に「舟のポーズ」を取ったりはしている。今日は散歩もサボってしまった。
- 職場に連絡。五月一六日まではオンラインでの授業実施が確定したとのことだったので、しばらく休みを貰って読み書きに傾注したいと申し出た。コロナウイルスの騒動が収まるまでは自宅で大人しくしていたいというのが本音だと率直に明かしつつ、ひとまず緊急事態期間が終わる予定の六日まで休ませてもらえないかと頼み、その後はまた様子次第で、と提案した。勿論そのあとも休みたいわけだけれどそこはまだ措いておき、厚かましい要望で申し訳ありませんがよろしくお願い致します、と恐縮ぶった言葉もきちんと付しておく。その結果、室長が内心でどう思っているかは知れないが、問題なく了承されたので安心して喜び、礼の言葉を送っておいた。
- この日もまた夜明けとともに床に就く仕儀となってしまった。四時四〇分くらいになって明けてくると鳥が鳴き出すのだが、真っ先に声を上げるのはいつも鶯だ。あるいは窓ガラスを突き通ってはっきり耳に届くほどの勢いと音量を具えた声が、さしあたり鶯のものだけだということか? 詩句を考えながら眠る。
・作文
28:20 - 28:30 = 10分(詩)
・読書
14:02 - 16:04 = 2時間2分(宮沢; 700 - 744)
16:08 - 17:00 = 52分(レーヴィ; 3 - 78)
20:33 - 21:04 = 31分(レーヴィ; 78 - 106)
22:55 - 24:46 = 1時間51分(レーヴィ; 106 - 191)
28:30 - 28:45 = 15分(レーヴィ; 191 - 214)
計: 5時間31分
- 天沢退二郎・入沢康夫・宮沢清六編『宮沢賢治全集Ⅰ』(ちくま文庫、一九八六年): 700 - 744(読了)
- 竹山博英訳『プリーモ・レーヴィ全詩集 予期せぬ時に』(岩波書店、二〇一九年): 3 - 214
・音楽
- Seamus Blake『Live At Smalls』
- Fred Hersch Trio『Alive At The Vanguard』
- Friedrich Gulda『Live At Birdland』