2021/10/25, Mon.

 大地よ、おまえの望みはこれではないのか。
 目に見えないものとなってわれわれの内部に蘇生すること、これがおまえの夢ではないか、
 いつか目に見えないものとなるのが。――大地よ、目に見えないこと!
 もし変容でなければ、何がおまえの切なる頼みであろうか。
 大地よ、いとしい大地、わたしは引受けたい。おお、信じるがよい、
 おまえの頼みを引受けるには、おまえの春はいくつも必要ない。一つの、
 ああ、たった一つの春でもすでに血には多すぎるのだ。
 名づけようもなく、はるかから、わたしはおまえへと決意したのだ。
 おまえはつねに正当だった。死を親密と思うことこそ
 おまえの神聖な思いつきなのだ。

 見よ、わたしは生きている。何によってか。(end113)
 少年時代も未来も減りはしない……あり余るほどの存在が
 わたしの心の中に湧き出てくる。

 (神品芳夫訳『リルケ詩集』(土曜美術社出版販売/新・世界現代史文庫10、二〇〇九年)、113~114; 『ドゥイノの悲歌』 Duineser Elegien より; 「第九の悲歌」 Die neunte Elegie



  • 八時のアラームで起床。しかし携帯をだまらせると寝床にもどってしまい、正式な離床は九時直前となった。水場に行ってきてから瞑想。まあまあ。きょうは空がほとんど薄雲におおわれている曇りだが、このときはひかりもすこし透けてきていた。午後四時まえ現在だともっと雲が密にあつまって空を隠し、寒々しいような曇天になっている。
  • 上階へ行き、食事はきのうのカレーをもちいたドリア。新聞、バイデン政権がイラン核合意の再開を模索しているが、イランで反米強硬派のライシ師が大統領に就任して以来交渉がないままだと。米国はEUをとおしてはなしあいをはじめたいとおもっているようだが、ライシ側は合意を再開するにはアメリカの真剣さを見極める必要がある、制裁の解除は真剣さをはかる指標のひとつだと発言しており、要するにそちらが先に制裁を解除しないと交渉ははじめないぞという腹のようだ。それで米国が要求を飲むかというとそうでもなく、アフガニスタンの件などで支持率が下がっているバイデンはさらなる不人気を避けたいわけで、むしろ反対に制裁を強化して圧力をかけるような見込みもあるもよう。
  • 食器をかたづけると下階にもどり、隣室へ。(……)
  • 一時四〇分に通話が終わった。椅子にずっとすわっていたために脚がこごったので、自室にもどるとベッドに寝転がり、膝でふくらはぎを刺激するなど脚を揉みほぐした。すこしのあいだウェブを見ていたが、まもなく臥位のまま「読みかえし」の音読へ。BGMにはBill Evans Trio『Portrait In Jazz』をかけていた。295番から302番まで。三時になったところで切り上げて、出勤前の食事。カレードリアおよび母親が昼に煮込んだうどんのあまりがのこっていたのでそれをいただく。食べ終えてきょうのことをここまで記すと三時五〇分。きのうのことはあとBill Evans Trioについて書けば終わるので労働のあとで充分だ。風呂を洗い、米を磨ぐなどしておかなければならない。
  • 作: 「遠のいてゆく声ばかり聞こえ来て夏は待ってる雨の蘇生を」
  • この日のあとのことを書かないまま、もう一〇月三〇日土曜日の午前一時半にいたってしまった。通話のあいだのはなしだけみじかく記して終わりにしたい。(……)
  • (……)