2022/3/19, Sat.

 [ボーア戦争: ] 一八九九年から一九〇二年まで、南アフリカで、イギリス人とオランダ系移民のボーア人との間に戦われた戦争。イギリス側の指導者はセシル・ローズであり、ボーア人の指導者はクルーガー将軍であった。この戦争の原因は、豊富な金鉱が発見されたボーア人の二つの国、オレンジ自由国トランスヴァール共和国を、南に隣接するケープとナタルの両地方を根拠地にしていたイギリスが奪おうとしたことであった。結局、ボーア軍はイギリス軍に敗北し、二国はイギリスの支配下に入った。一九一〇年、この四つの地方をそれぞれ州として、今日の南アフリカ共和国ができた。
 (マハトマ・ガンジー/蠟山芳郎訳『ガンジー自伝』(中公文庫、一九八三年/改版二〇〇四年)、472; 訳註第四部8)



  • 「英語」: 1 - 43
  • 「読みかえし」: 575 - 585
  • 七時ごろにいちど覚醒。ねむり、一〇時ごろふたたびのめざめが来た。わるくないあんばいである。深呼吸をくりかえしてからだをあたためてから一〇時半に離床。ひさしぶりにこめかみとか眼窩も揉んでおいた。文字を読んでばかりの生だから、やはり目はつかれているようなので。滞在は六時間強でよろしいが、さくばんは三時ごろにいちど意識をうしなって、気づいた四時二〇分に正式に床に入ったので、実質七時間いじょうではあろう。いずれにせよもう六、七時間で安定するようになっているのでよい。そのくらいはねむらないとやはりきびしい。
  • 水場に行ってから瞑想。きょうは職場で会議で、この日までに先月つくった「(……)」を改稿してかんぜんなものにしておこうとおもっていたのだが、けっきょくやっていない。いちおうきょう、いくまでにやるつもりで、それですわっているあいだは内容というかさいごに付す文言をかんがえてしまい、あまりからだの感覚などをみることはできなかった。それでもいつもどおり三〇分ほどすわり、上階へ。寝床にいるあいだには太陽がみなみの青空にかがやいており、カーテンをあけてそのまぶしさと熱を顔にあびつづけていたのだが、きょうは午後から雨とかいう予報で、このころにはもう曇りだしていたようにおもう。午後一時現在ではすでに空は一面白く満たされており、ただあかるみもふくまれていて薄暗くはない。
  • きがえて食事。ハムエッグとナスの味噌汁。新聞を読んだ。ウクライナ情勢では、プーチンがいちおうたしょうの軟化をみせていると。トルコのエルドアン大統領が両首脳の仲介に意欲をしめしているわけだけれど、プーチンはロシア側の要求を再度確認しながら積極的におうじるようすをみせているらしい。要求というのはウクライナNATO加盟断念というのが中核的なひとつとしてあり、それから非武装化なのだが、この非武装化はいぜんは全面的なものとしていたのを、ロシアの安全をおびやかさないみたいな条件付きのものにやわらげているという。ほか、クリミアの主権と東部親露派の独立承認、それにロシア語の保護。ゼレンスキー側は友好国によるウクライナの安全保証にロシア軍の即時完全撤退。政治面にはゼレンスキーが二三日に日本の国会でオンライン演説をすることが決まったとあった。ウクライナから打診されて国会は先例がないからと即決できず、スクリーンの用意がないからどうするかとか、予算編成とのかねあいで日程的にきついのではとかいろいろあがったらしいが、ここでもたもたして決めかねれば世界から失望されるからとともかくやることを決めたらしい。
  • 国際面には【露、「反戦」徹底封じ 大統領「裏切り者 浄化」】という記事があり、治安当局がウクライナ侵攻に反対するひとびとへの捜査や摘発をつよめているとつたえられている。「プーチン氏は16日に開いた経済制裁への対応を協議する会合で、「ロシア人は愛国者と裏切り者を簡単に区別できる」と切り出し、「社会の自然な浄化作用が国を強くする」と述べた。米欧志向の国民を「口に飛び込んだ虫」と表現して嫌悪感をあらわにし、弾圧を加速させる方針を示唆した」とのこと。また、ロシア在住のウクライナ人の行動監視もすすめられ、ウクライナ人と交流のあるロシア人にかんしても「スパイ行為」をおこなっていないか注意されているという。
  • 食事を終えると台所に皿をはこび、乾燥機内をかたづけてから洗い物。風呂場に行って浴槽もこすり洗い、出るとポットに湯がなかったので薬缶から水を足しておいていったん室におりた。コンピューターでNotionを用意するとあがってコップに白湯を一杯そそぎ、もどってちびちび飲みながら音読。きょうはたいそうひさしぶりに、「英語」ノートを読んだ。「英語」ノートは750くらいまで項目がつくられてあって、一時期かなり熱心に読んで、じっさいそれで語彙もたしょうついたし英語を読む体力もついたし感覚もそこそこみがかれたとおもうのだが、あるときから飽きてやめてしまっていたのだ。それをまた再開しようかなという気になっている。一項目二回とか決めてあたまにいれようとおもって読むからつまらなくなるのであって、とりあえず一回ずつでどんどん読んでいけばよいのではないかと。それでさいしょからまたはじめて43まで読み、その後「読みかえし」ノートも。こちらは古井由吉の『詩への小路』が終わった。
  • 一時まえくらいまで読んでいたはず。それからきょうのことをここまで記し、一時半。
  • いま帰宅後、夕食を食い終えた零時前。(……)さんのブログを読んでいた。三月一七日。「シャーマン」のはなしがおもしろい。「警察から頼まれて事件解決を手伝ったこともある」というのに、漫画かよ、とおもった。

 運ばれてきたのは羊肉入りのパンみたいなものと羊肉の串焼き。腹いっぱいになる量では全然なかったが、会計は(……)さんがもってくれるのだから文句はいえまい。(……)さんは親族に「シャーマン」がいるといった。写真を見せてもらったのだが、長い白髭をたくわえた道教のお師匠さんみたいな、いかにもな風采の老人。ほとんど毎日のように相談の電話があり、たいそう忙しくしている。稼ぎもなかなからしく、ベンツに乗っているみたいな話があって、いかにも生臭ではないかという感じなのだが、(……)さんによれば本物の実力者で、ビデオ通話するだけで相手の家族構成を当ててみせるのだという。(……)の警察から頼まれて事件解決を手伝ったこともある。あるいは(……)市政府から依頼を受けるかたちで、どこに道路を通せばいいかどこにマンションを建築すればいいか、たぶん透視的な意味だろうが、チェックしたこともあるとのこと。本当かどうか知れたもんではないが、政府の偉いさんも彼の姿を見ると一礼するほどの人物だという。中国共産党的にはあやしい宗教だの超自然現象だのは全部アウトなはずであるが、やはり内陸部だからだろうか、これだけの科学技術大国でありながらいまだにそういうオカルトめいたものの影響力が政府の内部にまでおよんでいるという話は、なかなかちょっとサイバーパンク的でおもしろかった。政府や警察と付き合いがあるといっても、それがどの程度のレベルの話なのか、社区単位なのか市単位なのか省単位なのかは不明だが。(……)さんは一時期シャーマンに弟子入りしようとしたが、断られたとのこと。シャーマンは現在ひとりも弟子をとっていない。
 そのシャーマンが二年後に中国とアメリカの間で戦争が起きるといっているという。台湾がきっかけになるらしい。アメリカ軍が上海から広州にかけて爆撃、戦争の影響で食費は高騰し、茶碗一杯の米を大人が三人か四人で分け合うような暮らしをするはめになる。しかるがゆえにいまのうちに農村のほうに越しておいたほうがいいといわれている、と。同じ未来を透視しているシャーマンはほかに複数いるらしい。そのうちのいったい何人がこのコロナ禍を透視していたか知りたい。

  • あと、これを読んだのは昼間だが、アーノルド・シュワルツェネッガーがロシア国民に向けておくったメッセージ(三月一八日の記事)。とてもきちんとしているとおもったので、わざわざ元記事を検索して探し出し、LINEで読書会グループにも共有しておいた。

 皆さん、こんにちは。時間をとってくれてありがとう。このメッセージは、親愛なるロシアの友人とウクライナで従軍しているロシア兵に届けるために、さまざまなチャンネルを通して送っています。
 今日、私が皆さんにお話しするのは、世界で起きていることで、皆さんには隠されていることがあるからです。皆さんが知っておくべき、恐ろしいことです。
 ただ、その厳しい現実について話す前に、私のヒーローとなったロシア人のことを話したいと思います。1961年、14歳だった私を親友がウィーンに招待してくれ、重量挙げの世界選手権を観戦しました。ユーリ・ウラソフが、世界チャンピオンのタイトルを獲得した時です。彼が人類で初めて200キログラムを頭上に持ち上げた時、私は観客席にいたのです。
 友人に連れられて舞台裏に行くと、14歳の少年の目の前に、世界最強の男が立っていました。信じられませんでした。彼は握手を求めて手を差し出してきました。私はまだ少年の手です。彼の手は、私の手をのみ込むようなパワフルな手でした。でも、彼はとても優しくて、私にほほ笑んでくれました。あの日のことは決して忘れません。決して。
 家に帰ってから、重量挙げを始め、自分を鼓舞するために彼の写真をベッドの上に置きました。父はその写真はやめて、ドイツ人とかオーストリア人のヒーローを探せと言いました。父は本当に怒っていて、私たちは何度も言い争いになりました。
 父はロシア人が嫌いでした。第二次世界大戦での経験があるからです。彼はレニングラードで負傷しました。彼が所属していたナチス軍はそこで、素晴らしい都市と勇敢な人々に悪質な危害を加えたのです。ただ、私はその写真をベッドから下げることはしませんでした。ユーリ・ウラソフが掲げる旗がどこの(国の)ものかは重要ではなかったからです。
 私とロシアのつながりは、それだけにとどまりませんでした。ボディービルや映画の撮影でロシアを訪れ、ロシアのファンに会い、むしろ関係は深まりました。そして、その旅の中で、ユーリ・ウラソフにも再会したのです。
 場所は「レッドブル」(原題:Red Heat)を撮影したモスクワでした。あの映画は、赤の広場での撮影が許可された最初の米国映画なのです。私は一日中、彼と一緒に過ごしました。彼はとても思慮深く、親切で、スマートで、そして、とても優しかった。この美しいブルーのコーヒーカップをくれました。あれ以来、私は毎朝、このカップでコーヒーを飲んでいます。
 なぜ、こんな話をしたかというと、私は14歳の時から、ロシアの人々に愛着と尊敬の念しか抱いてこなかったからです。ロシアの人々の強さと心は、私をいつも感動させてきました。だからこそ、ウクライナでの戦争と、そこで何が起きているのかについて、真実を語らせてほしいのです。
 政府に批判的なことを聞くのは誰も好きではありません。それは分かっています。しかし、ロシアの人々の長年の友人として、私が言わなければならないことを聞いてほしいのです。
 思い出してほしいのですが、私は心から懸念していることを米国民にも話したことがあります。昨年1月6日に狂気じみた群衆が連邦議会議事堂を襲撃し、政府を転覆させようとした時です。あの時のように、間違っていると思うことがあれば、声を上げなければならないのです。これは、皆さんの政府でも同じことです。
 皆さんの政府は、これはウクライナを「非ナチ化」するための戦争だと言っているのは知っています。ウクライナを「非ナチ化」する? それはありえません。ウクライナユダヤ人の大統領がいる国です。そのユダヤ人の大統領は、付け加えれば、父親(米メディアによると、祖父)の3人の兄弟が全員ナチスに殺された人なのです。ウクライナがこの戦争を始めたのではありません。民族主義者でも、ナチスでもない。
 この戦争を始めたのはクレムリンにいる権力者たちなのです。ロシア国民の戦争ではありません。
 聞いてください。国連では141カ国がロシアは侵略者であると投票で表明し、軍隊を直ちに撤退させるようロシアに要求しました。世界でロシアに賛成したのは4カ国だけです。これは事実です。
 ウクライナでの行動によって、ロシアは世界を敵に回したのです。
 ロシアによる砲撃や爆撃で市街地は壊滅状態になり、そこには小児科病院や産婦人科病院も含まれます。300万人が難民としてウクライナから逃れ、その多くは女性や子供、お年寄りです。そして、さらに多くの人々が脱出を求めています。人道危機なのです。ロシアはその残虐性から、いまや国家社会から孤立しているのです。
 この戦争がロシア自体に何を及ぼすのかについても、真実は語られていません。残念ながら、何千人ものロシア人兵士が亡くなりました。彼らは、祖国を守るために戦うウクライナ人と、ウクライナ征服のために戦うロシアの指導者との板挟みで死んだのです。
 多くのロシア製品が壊され、廃棄されました。ロシアの爆弾が罪なき民間人に降り注ぎ、それは世界を激怒させ、史上最も厳しい世界的な経済制裁が皆さんの国に科されました。この戦争を戦うどちらの側でも、その必要がないはずの人たちが苦しむことになるのです。
 ロシア政府は国民にウソをついただけではありません。兵士にもウソをつきました。
 兵士の中には、ナチスと戦うのだと言われた人もいます。ウクライナの人々が英雄のように迎えてくれると言われた人もいます。単に演習に行くのだと言われ、戦争に行くことさえ知らなかった人もいます。そして、ウクライナにいるロシア系住民を守るためだと言われた人もいます。
 どれも真実ではありません。ロシア兵は、家族と国を守ろうとするウクライナ人の激しい抵抗にあっているのです。
 赤ちゃんが廃虚の中から引き出されているのを見ると、今日のニュースではなく、第二次世界大戦の惨状を描いたドキュメンタリーを見ているのかと思います。
 聞いてください。私の父がレニングラードに到着した時、彼は自分の政府がついたウソに熱狂していました。しかし、レニングラードを出る時、彼は“壊れて”いたのです。肉体的にも精神的にも。残りの人生を痛みとともに生きました。背中の骨折による痛み。(体内に残った)銃弾の破片による痛み。彼はその痛みでいつもあの恐ろしい時代を思い出していた。そして、彼が感じていた罪悪感による痛みです。
 これを聞いているロシア兵の皆さん。皆さんは、私が話した真実の多くをすでに知っているはずです。自分の目で見てきたのですから。私は、皆さんに私の父のように“壊れて”ほしくないのです。
 これは、あなたの祖父や曽祖父が戦ったような、ロシアを守るための戦争ではありません。違法な戦争なのです。あなたの命、あなたの手足、あなたの未来。世界中から非難される無意味な戦争のために、それらが犠牲になっているのです。
 クレムリンにいる権力者たちに尋ねたい。自分の野心のために、なぜ若者を犠牲にするのかと。
 これを聞いている兵士たちへ。1100万人のロシア人は、ウクライナと家族的なつながりがあるのを思い出してください。つまり、あなたが撃つ弾丸はすべて、兄弟や姉妹を撃つこととになるのです。爆弾や砲弾は敵に落ちるのではなく、学校や病院や家に落ちていくのです。
 ロシア国民がそんなことが起きているのに気づいていないのは知っています。ですから、ロシアの人々とウクライナにいるロシア兵の皆さんは、自分が聞かされているのはプロパガンダや偽情報なのだと理解してください。真実を広めるために私の手助けをしてください。仲間のロシア人に、ウクライナで起きている人間の惨事について知らせてください。
 そして、プーチン大統領へ。あなたがこの戦争を始めました。あなたがこの戦争を指揮しています。あなたが、この戦争を止めることができるのです。
 最後に、ウクライナ侵攻に反対し、通りで抗議しているすべてのロシア人へのメッセージを送ります。世界はあなたの勇敢な行動を見ています。その勇気の結果に苦しんでいることも知っています。皆さんは逮捕され、投獄され、そして、殴られもしました。
 皆さんは、私にとって新たに現れたヒーローです。皆さんにはユーリ・ウラソフのような強さがあります。ロシアの本当の心があります。親愛なるロシアの友人たちへ。神のご加護がありますように。【訳・隅俊之】

  • 今現在もう三月三〇日の午前三時まえで、この日のことはとうぜんながらたいしておぼえちゃあいない。出かけるまえに「(……)」を加筆して完成させた。それをgmail内に空メールをつくって添付してあげておき、またドライブにもあげておいて、職場に行ってから落とそうとおもっていたのだけれど、いざ職場でこころみてみると、うすうすそうなるのではないかとおもっていたが、gmailにもドライブにもアクセスできなかった。セキュリティ対策でむやみに接続できないようになっているわけだ。とうぜんの事態ではあり、いぜんもたしかいちど家でつくった文書を職場に移入するときにこの失敗をしたことがあったような気がする。したがって、密輸入するにはメールに添付して送るしかない。ばれないためには室長のいない日にしかできないのでなかなかタイミングはかぎられるが、しかしスマートフォンになったいま、gmailにあげておいて、職場のパソコンのまえでスマートフォンで接続したgmailから送り、すぐさまファイルを落としつつ痕跡を抹消するということが可能だろう。いずれにしてもこの日はそれができなかったので、その場でかんぜんにではないが改稿することになった。
  • 会議についてはもう時間も経ったし、まあそんなに書いておきたいこともないかなという印象。グループにわかれてじぶんのはたらきぶりの反省というか、じっさいこれできてる? みたいなはなしあいなど。ほか、「(……)」から大事なポイントだけ述べたり、(……)さんの退任のはなしなど。