2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

2022/8/31, Wed.

書くことがわたしにとって務めになったことはこれまで一度もなく、たとえまるでうまく書けないとしても、わたしは書くという行為そのものやタイプライターが立てる音、仕上げることが好きなのだ。そしてたとえうまく書けないとしても、決して無駄にはならず…

2022/8/30, Tue.

(……)わたしが思うにミラーが引き起こした問題は(彼のせいではないが)、頑張って自分の作品をせっかちに(早めに)出してしまい、それゆえそれが正しいやり方なのだとほかの人たちに思わせてしまったことで、そこで半人前の作家の大隊が押し寄せてドアを…

2022/8/29, Mon.

(……)立派な態度などくそくらえだ。そんなものはわたしとは縁がなかった。わたしは酒を飲み、女とやって、酒場で気が触れ、窓ガラスを叩き割り、自分の本音をとことんぶちまけ、生きてきた。わけなどわかるはずがなかった。わたしは今も必死で取り組み続け…

2022/8/28, Sun.

詩をもっと同封した。貯蔵作品の山を作って自分の詩でこの世界をぶっ飛ばそうとしている。そうだよ。 (チャールズ・ブコウスキー/アベル・デブリット編/中川五郎訳『書こうとするな、ただ書け ブコウスキー書簡集』(青土社、二〇二二年)、202; ウィリア…

2022/8/27, Sat.

[ラファイエット・ヤング宛] 1970年10月25日 […]このタイプライターから逃げ出すためにわたしは酒を飲んだりギャンブルをしたりしなければならない。ちゃんと動いてくれるこの老いぼれマシーンを愛していないということではない。いつ向き合えばいいのか…

2022/8/26, Fri.

(……)朝飯前のことだが、うるさいことばかり言うやつの役回りをわたしにはさせないでほしい。そんなものとはかけ離れた存在だ。わたしは言いたいことを言ってい(end165)るだけで、いつだってそうしている。白癬に冒された自分の心を自由に転がすだけだ。…

2022/8/25, Thu.

(……)文学教授たちがここにやって来て、わたしの金玉を舐めるが、彼らはみんな似たり寄ったりで、威張っていて、バカで、ヒョロヒョロと背が高く痩せていて、人生と厳しく向き合っているかのような作品を書こうとしている。くそっ。一年のうち三ヶ月を費や…

2022/8/24, Wed.

(……)酔っ払って、人生はほんとうに身の毛がよだつほどひどい、人も、社会の仕組みも、最後には死が待ち受けていることも、何もかもがめちゃくちゃだと、わたしが彼に言えば、彼はきっとこう答えることだろう、「どんな契約 [﹅2] にもサインなどしていない…

2022/8/23, Tue.

[ロバート・ヘッド宛] 1967年10月18日 […]反戦の詩についてだが、わたしはうんと昔、反戦が広く支持されたり、はやりには思われていない時に、それを表明していた。第二次世界大戦の時で、共鳴してくれる者は誰もいない状況だった。インテリやアーティス…

2022/8/22, Mon.

わたしは基本的にいつでも"一匹狼"だ。生まれつきであれ、精神を病んでいる者であれ、どういうわけか人の中にいるのが苦痛で一人でいる方が楽なやつであれ、そんなやつらが必ずどこにでもいる。あなたは愛さなければならないという言い方にはもううんざりで…

2022/8/21, Sun.

[…]わたしは石に刻む、いつまでも残るからではなく、ただ目の前にあって妻のように口答えしたりしないから。わたしは石に刻む、未来の二、三人の善人たちがわたしを掘り起こして笑うだろうから。それで十分だ。わたしの世紀はこうしたことをわたしにあてが…

2022/8/20, Sat.

(……)おそらくわたしの気骨に似て、確かに、わたしは意気地なしで妬み深い黄色です。わたしは黄色でわたしは不屈でわたしは疲れてうんざりしきっていてわたしは酔っ払っていて、そして人生は屁のように雲散霧消して行き、わたしはその中を歩き続ける。[D・…

2022/8/19, Fri.

(……)もしわたしが自分自身の墓碑銘を書くとしたら(そのつもりでいるが)、時には予定していたよりも早くなることもあるので、きっとそうなると思うが、今もこう書こうと決めている。名声も不朽もとこしえに我がものならず。実際の話、わたしはそんなもの…

2022/8/18, Thu.

(……)タイプライターにまっさらな紙を差し込みながら時々考えることがある……おまえはもうすぐ死ぬ、わたしたちはみんなもうすぐ死ぬ。死ぬのは今それほど悪くないことかもしれないが、せめてまだ生きているうちは、自分の中の創作の泉がまだ涸れていないの…

2022/8/17, Wed.

あなたがわかっているただひとつのことは、ジョン、わたしがわかっていることだ。芸術は芸術で、どう名づけるのかは二の次だ。わたしたちは文学界の政治家ではない。ブラック・マウンテン、ニュー・クリティック、『Folder /フォルダー』、ウェスト・コース…

2022/8/16, Tue.

それならばわたしはこの賞がわたしの喉元から刃先を遠ざけ続けるようなことにならないようにと願うばかりだ、そうなってしまうかもしれないが。それでも乾いたダリアを血まみれにさせたのはわたしよりもましな男たちだ。わたしは自分自身やほかのあらゆるも…

2022/8/15, Mon.

アトランタで電気のコードの先がほとんど見えなくなってしまったことがあった。切り取られて電球もついていなくてわたしは橋の上の掘っ建て小屋で暮らしていた。家賃は週1ドルと25セント。凍てつく寒さの中で必死に何かを書こうとしていたが、たいていは何か…

2022/8/14, Sun.

(……)くだらない! 優れた芸術が知的なのは、人をどやしたてて命を吹き込むからで、そうでなければただのたわごとでしかなく、どうすればたわごとを書いてシカゴの『ポエトリー』に載せてもらえるのだろう?(……) (チャールズ・ブコウスキー/アベル・デ…

2022/8/13, Sat.

(……)タイプライターの前で好きにさせてもらえたら、わたしは危険極まりない人間なのだ。 (チャールズ・ブコウスキー/アベル・デブリット編/中川五郎訳『書こうとするな、ただ書け ブコウスキー書簡集』(青土社、二〇二二年)、55; W・L・ガーナーとロ…

2022/8/12, Fri.

[…]純粋な芸術形式、詩の創作だけが重要だという孤立主義者の立場をわたしはしばしば取ってきました。わたしの作品の登場人物が何者なのか、あるいはわたしがどれほどたくさんの回数、留置所の中に、もしくは病棟や壁の中や酒宴の場に放り込まれたのか、孤…

2022/8/11, Thu.

……ところで、編集者はわたしに付き合って一本だけビールを飲み、作家は飲もうとはせず、それでわたしは二人のために飲みました。わたしたちはヴィヨン、ランボーやボードレールの『悪の華』について話し合いました(実にフランス的な夜になったようですが、…

2022/8/10, Wed.

わたし自身についてですが、詩の世界に足を踏み入れるには、かなり歳を取っていると見做されるはずです。今年の8月16日で三十八歳になり、気持ちも見た目も振る舞いも、それよりもうんと年老いています。自ら招いたことですが、およそ十年間のブランクがあっ…

2022/8/9, Tue.

総合病院の慈善病棟でほとんど死にかけたものの、今は少しはましになって何とかやっています。あそこはまったくとんでもないところで、病院に関して何か噂がお耳に入っているのだとしたら、たいていそれはほんとうのことです。わたしは九日間入院し、一日14…

2022/8/8, Mon.

[ジョン・マーティン宛] 1991年7月12日午後9時39分 ヘンリー・ミラーが有名になって書くのをやめたという記述を読んだ。それはおそらく彼は有名になるために書いていたということだ。このことがわたしにはわからない。紙の上に綴られる文章以上に魅惑に満…

2022/8/7, Sun.

それから朗読の集まりというのもあった。家賃を稼ぐためにやるのなら問題ない。ところが多くの奴らは虚栄心のためにやるときている。そうしたやつらはただで行い、多くの者がそうしている。ステージに立つことをわたしが望んでいたのだとしたら、役者になっ…

2022/8/6, Sat.

わたしは詩人たちに近づかないようにしている。わたしがスラムの部屋に住んでいた時、そうするのはもっと難しかった。わたしを見つけると、彼らは座り込んで人の噂話をしたりわたしの酒を飲んだりした。その中にはとてもよく知られた詩人たちもいた。しかし…

2022/8/5, Fri.

[ジャック・スティーヴンソン宛] 1982年3月 […]たいていのやつらが同じように始める。詩人たちのことだ。初めは極めて良し。彼らは孤立していて、おわかりのとおり、程度の差こそあれちょっとした刺激にも敏感な心をしていて、純真そのものだから、言葉…

2022/8/4, Thu.

以下の序文はもともとは『Dronken Mirakels & Andere Offers /酔っ払いの奇跡とそのほかの捧げ物』の中で、ベラートによってオランダ語に翻訳されて出版されていたもので、英語で活字になったことはこれまで一度もなかった。 [ジェラルド・ベラート宛] 19…

2022/8/3, Wed.

それでわたしを見ると人はこう言うしかなかった、「どうして競馬場に行くんだ? どうして酒を飲むんだ? 身の破滅だぞ」。(end100)まさにそのとおり、身の破滅だ。それならニューオリンズで週給17ドルで働くことも身の破滅だ。それなら老いぼれた足首や脛…

2022/8/2, Tue.

あなたが魂を守ることについて考えてくれていることが嬉しい、このことは多くの人たちにまったく忘れ去られてしまっているか、あるいはまだまだ何も満たされていなくてわたしたちが自分たち自身のことを今のようにはわかっていなかった過去のロマンティック…